猫木の変な挑戦『いろんな敦賀さんを書いてみよう。』
困惑混沌の朝。reverseから派生する番外編的な続きのひとつ懐疑の俺。のキョーコちゃん視点なものとなっております。
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思い掛けずに降って沸いた……一夜の夢。
目が覚めた私を待っていたのは後悔と困惑………それと、恐怖だったの。
胸にこっそりと秘めた恋心………お酒の勢いでの一夜の誤ち。
諌めて止めなければいけなかったのに………その腕に囚われる幸せに酔ってしまっていた。
私に触れる手と唇、高い体温とアルコールに混じる敦賀さんの香りに溶けてしまった夜。
夢から覚めた朝、どうすればいいのかわからずに振り返ることも出来ないでいた。
私でもわかる……事慣れた腕と甘い言葉。
でも、敦賀さんが胸にずっと想ってる女の子は私じゃない。
わかってたのに………知ってたのになぁ
こっそりと育てて地獄まで抱えていくと決めていた筈の恋心、欲深い浅ましい愚か者。
昨日の夜、その広い背中にしがみつくしか出来ずにいた私は必死に言葉を殺していた。
せめて………せめて、この想いを口に出してしまう事のないように。
思わせぶりな言動ばかりする天然タラシな隠れ遊び人……そんなひとの近くにいれるただひとつの関係、尊敬する先輩と手のかかる後輩。
そんな居心地の良かった関係には………もう、戻れないのかな？
敦賀さんに厭われて、距離を置かれてしまう………胸がぎゅっと締め付けらるみたいに痛い。
恐くて、振り返ることも出来ないでいたその時。ニョロリと怨キョなお怒りレーダーが振り切れた。
え！？お、お怒りでらっしゃる？
背後にいるお方がどんどん深く静かにお怒りになっていくのを感じて、きゅっと身が縮む。
なのに、何故！？硬直して動くことの出来ないでいる私にするっと敦賀さんの腕が伸びて、その胸に抱き寄せられる。
ぎゅう？！？なんで、ここでぎゅうぅなんですか？？どうしてですか？敦賀さん！？
そのまま強く抱き込まれるのに、背後に感じる気配はもうお怒りＭＡＸな大魔王でいらっしゃって………わけがわからぬままにかたかたと小刻みに身体が震える。
背後では何を言ってらっしゃるのかわからないくらいに小さな声でぶつぶつとつぶやいてらっしゃる大激怒中な敦賀さん、なのに何故かその腕は身動きも取れないくらい私に巻き付いてて………その手がなにかを探るみたいに私の……は、は、裸の肌の上をペタペタと滑る。
腕に、鎖骨に、おなかから腰へ……私のささやか過ぎて悲しい胸の膨らみへと這う大きな手のひら。
ひぃ！は、破廉恥ですぅぅぅ！！
なんで私、大魔王にセクハラされてるんですかぁぁぁーーー！？
耐えられずに敦賀さんの腕からにじにじじたじたとなんとか抜け出して、くるっと寝返りを打って向かい合う。
「あ、あの………敦賀さん？」
何かを考え込むみたいな敦賀さんに恐る恐る声をかけた。
私を映す黒の含有量の高い切れ長の瞳………その目と目が合って、ぞわりと背中に震えが走る。
ど、どうして、今度は夜の帝王になってらっしゃるんですかぁぁぁ！？
気が付けば、ぎしっとベッドの軋む音がして背中にシーツの感触。
見上げれば夜の帝王な敦賀さんがにやりと笑って私を見下ろしていて………彼は言ったのだ。
「ねぇ、最上さんのこと……俺の色に染めてしまってもいいかな？」
勝手な、とても勝手な事を。
なんて酷いひとなんだろう………なんて性質の悪い遊び人。
涙が滲んでしまいそうな目にキッと力を込めて勝手な男を睨み付けて、憎まれ口に叩きつけるみたいに言った。
「私が敦賀さんの色に染まったら………貴方は私だけの色に染まってくださるんですか？」
そんなこと…………ありえないくせに。
呆れられると思っていたのに、見上げた敦賀さんは無表情になってからぼすっと私の肩口に顔を埋めて言ったの。
「染めてくれるんだ？最上さんだけの色に？」
耳元で低い声が言う。
「望むところだよ………どうせもう最上キョーコしか愛せないでいるんだ。最上キョーコしか抱けない身体に染め上げてもらおうか？」
悪い笑いを含めた低い低い声と私の身体に絡みつく強い腕。
ん？………はい？
ちょっと、待って………？？
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なんでこうなったんだろう？
(＠Д＠；
あれだね、結局『はじめて』なのか『はじめてじゃないのか』わからないままの蓮さんってのを着地点に目指したら、こうなりやした。
↓拍手コメにて逆視点をとのリクエストいただきまして、ぽちぽちと書いてみたものでありんす。
別視点は別視点で楽しいと言ったお声をそこそこいただきましたので、リクエストがあったら別視点なのも書いていってみようかなぁ………とか、考えてみたりな感じです………けど、大丈夫ですかしら？
(￣Д￣；；
↓拍手のキリ番っぽいのを叩いちゃった方は、なにやらリクエストしていただくと猫木が大喜利的にぽちぽちと何か書くやもしれませぬ。
