猫木の変な挑戦『いろんな敦賀さんを書いてみよう。』の、ほんの思い付きであります。


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この場合、どうするのが正解なんだ?
頼むから誰か教えてくれ!
敦賀蓮としてこの国で暮らす事になってから、はじめての大失態かもしれない。
ここは彼女の部屋。
タレント兼女優として幅広い役を演じマルチな才能を発揮し、人気に火が付き流石にだるま屋を出ないといけなくなってしまったと、ちょっぴり寂しそうにはじめた一人暮らし。
乙女趣味な彼女の好きそうなアンティークっぽいベッドの上。
ここまでも問題だけど、次から本格的に大問題だ。
上半身から下半身足先に至るまで………素肌に触れるシーツの感触。何ひとつ身につけていないらしい。
腕に乗った彼女の頭、胸にぺったり抱き込んだやわらかなあたたかさ、妙にすっきりとした感覚………下腹部にベタベタとした軽い違和感。何より男なら誰でも覚えがあるだろう、うっすらと青臭いような匂い。
頭をぐるぐると甦る昨夜の記憶。




昨日、出演したドラマの打ち上げに参加していた。
久しぶりの最上さんとの共演だったドラマの打ち上げ。そこで、体調が万全でない癖に進められるがまま酒を飲んで………酔って、醜態を晒してしまった。


「ごめんねぇ、キョーコちゃん。蓮のやつ、最近カツカツであんまり休めてないからあんまり体調が思わしくないのに………主演だから打ち上げ断われなくってさ。俺、ちょっと事務所に行かなきゃいけないんだけど、様子見といてもらってもいいかな?」
と、社さんにお願いされていたらしい彼女、責任感の強い彼女はそんな俺を放置する事が出来ずに無事に家にお送り返すべく涙ぐましい努力を重ねていた。


けど、俺ってやつは………ふわふわとした酩酊な世界で俺をかまってくれる最上さんが嬉しくて、覚えてるだけでも馬鹿みたいに笑う、なんだかわからない歌を歌う、いきなり大疾走、手をつないでくれとねだる、欲望のままに抱きつくなどなどの失態を重ねてに重ねたあげくの果てには………ぐたっと動けなくなってしまっていたらしい。
「自宅までタクシーで移動に耐えらそうですか?」って聞いてくれる可愛い声に、ふるふると顔を横に振って答えたら………捨て置けなかった優しい彼女は、無防備にもその住処へと狼を連れて来てしまったんだ。


ソファーに座らせてもらって最上さんが持ってきてくれた冷たい水をもらって………優しく誘導されるがままに、彼女の寝室の彼女のベッドへと潜り込んでしまっていた。


やわらかな女の子っぽい彼女の寝室。
ベッドのシーツから香る甘やかな彼女の香りに「最上さんの匂いがするー」なんてそんな事が口からこぼれ落ちてしまっていて………そんな俺を責めずに髪を撫でてくれる彼女の細い指に………総て許されているみたいな、愛されているような、たまらない幸福感を感じて………それを、離したくなくて掴んだ彼女の愛しい手




長年ずっと恋い焦がれた彼女、その全てが愛しくてかわいくて………欲しくて欲しくて
「………おいで。」
と、それだけ言って、彼女をベッドへと引きずり込まんでしまってた。
そこからは………箍が外れた身勝手な男の欲望のままに甘い可愛い可愛い彼女の唇と声と皮膚に酔わされ、なにもかもを奪いさるみたいに貪ってしまっていた。







そんな夜の次の朝だった。
どうしたものか?
抱いてしまった、最上さんを。
酔った勢いで………『告白』もまだ出来ずにいるのに。
どうすればいい?
責任なんて喜んで取る!!一生だって無理やりに俺に絡め取ってしまいたい。
だけど、愛に傷ついて愛を拒絶した彼女だ。
彼女の傷が癒えるまで、一番にそばにいてじわじわと染み込ませるみたいに俺の想いをわかってもらおうと見守っていた彼女。
俺はまだ………ただの尊敬する先輩?………それとも、もっと遠く遠い天上人扱い?
ただのひとりの男として意識していてほしくて………
簡単に手を出すただの軟派な遊び人扱いで軽蔑して避けたり……俺の存在を君から抹消しないでくれ!!





恐る恐る腕に乗った彼女の寝顔を除き込む。
もぞもぞと頭が揺れて、彼女がその瞼ををひらく…………






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なんとなく思い付いた焦る蓮さん視点。


この蓮さん視点でお話一本書いてみようかなぁ?
そうでもせんと、もうほんとネタがなかとですたい。(´Д` )


↓拍手のキリ番っぽいのを叩いちゃった方は、なにやらリクエストしていただくと猫木が大喜利的にぽちぽちと何か書くやもしれませぬ。


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