『お醤油みたいな色の おしっこしています ・・・
急に息が苦しそうになって・・・』
15年前の動物病院では ごく普通に聞かれる言葉
これは一般に
『フィラリアの急性症』 といわれる
『Caval Syndrome ~大静脈症候群』
今は 死語 のようですが・・・
ワンコの飼い主さん達は
5月になると
「フィラリアの予防が始まるな ああ、そんな季節だ」って
俳句の季語のように 季節を思い浮かべますね。
今は 何の危機感もなく 「フィラリア」って言いますけど
私が獣医になったのは
何頭もの愛犬をフィラリアで亡くしたことが
引き金かもしれない・・・
予防の薬がなかった30年前は
外で飼っている犬のほとんどは
7,8才で フィラリア症で
苦しんで 死んでいきました・・・
だからこそ 今の時代
フィラリアなんて見たことないからって
高いお薬だしな~~って
予防をしない事 考えられない!
フィラリアは
蚊が伝染させる 寄生虫
フィラリアに感染している犬は
血の中に 小さなちいさな 子どものフィラリアがいて
蚊がその血を吸って 別の犬の血を吸うと
その子どものフィラリアが ハイこんにちは! って
入ってしまう
そして体の中を巡り巡って
1年して心臓にたどり着くと
そこで そうめんのような 大人になる
心臓にいるから
お腹の寄生虫のように
お薬で殺せない
お薬で殺すと
その虫が血管に詰まって
犬も一緒に死んでしまうこともある
だから 予防のお薬
神様がくれたお薬
飲ませましょう!
最初に書いた 大静脈症候群
手術で 血管を通して カテーテルで
フィラリアをつまみ出します
この手術でしか助かる道はありません
これは
そうやってつまみ出したフィラリア
1匹のワンちゃんから
こんなにたくさん 引っ張り出せることもある
予防しましょうね!