悪い男・追記 | ・・・の続き

・・・の続き

エヴァ・オーリンも、ペ・ドゥナも、まとめて好き。

悪い男のとても丁寧な作品紹介ページ

http://www.cinematopics.com/cinema/works/output2.php?oid=2603

尖ったガラスも鏡も植木鉢もピンクのかつらも無口も
ビニールの軒下も、
くやしいくらいに好き。
くやしいくらいに好きは、わたしの中での「好き」の最上級に近い。
次は「魚と寝る女」か。

このギョロ目の強奪キスの写真を最初に観たので
かなりヒいて、映画館へ行かなかった。しまった。
そういう女性もいるはず。

上のサイトによると、あの売春宿街はセット。
あの坂の具合がとてもいい。段になる緑と赤。
宿の姐さんも厳しいんだけど、筋を通すひとで
そこらあたりが救われているのかもしれない。

あと女子大生ソナの化粧のくすみ具合と
客をとるようになってからの彼女の儚げなキレイさと
いつしか比べて
そこらあたりも見る側も、数㎜づつハンギに共犯加担してしまう。
監督、巧すぎ。


映画とはズレるが
わたしが育った通りも、風俗やら水商売の店ばかり。
戦前は、有名な郭があった場所の名残。
戦後、疎開したついでにノコノコとうちの爺が越してきたようだ。

かつては、いつも女が店の前で立ってた。
呼び込みの声を下で聴きつつ、祇園精舎の鐘の声・・
なんて暗記してたわたし。
窓からちらりと覗くと、女の子の入流出はいつも激しく、
向かいのビルの一室では、みせかけガス自殺の失敗で爆発。
うちの家もちょっと壊れた。
でも嫌いじゃないし、いろんなことを疑問に思わなかったのは
もうそこに生まれたときから住んでいたからか

と「悪い男」をみつつ、思う。
違和感や嫌悪感がない自分がヘンかもしれぬ、とも気づく。
そういえば うちに居た犬は、
ハンギのような男から「ちょっと世話を頼む」と渡された雑種犬だった。