ハッピーエンド | ・・・の続き

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エヴァ・オーリンも、ペ・ドゥナも、まとめて好き。

「幸せな結末」ではないこのハッピーエンド
タイトルのロゴが[happy]と[end]とは、
同時には点滅しないのだ。
happy そして 0.数秒後に end。
そういう映画だった。「happyのend」
と解釈してる。


このジャケのブルーがずっと気になって
早く観たいと思っていた。いかにも女性仕様。
前半は、すんごくリアルな不倫。
堕ちていく理由も、情況も。あるかもしれない。あるかもしれない。

後半、物静かな男が狂気になる。凶器そのもの。
どちらの男も。
不倫相手の男のアパート、その長い廊下
幻覚の嫉妬、低い位置からのカメラは
まっすぐな迷宮を顕しているんだろうか。
そのあたり、もう大好きでかなり興奮して見つめていた。

チョン・ドヨン演じる、ボラが母親だというのも痛い。
ただの妻だったら、ここまでの痛みは伴わない。
追い込まれるボラのとった行動も、かなしいかなわかるのだ。
それがオンナだったり。わかる自分も悔しい。
ぜんぶがオンナだ。
オンナは「(わたしはあなたを)通り過ぎるだけだから」
と言ってはいけないらしい。それは男が言うべきこと、
のようだ。胸に手を当てる。思い当たるフシあり。今更反省。

夫がふりかざすナイフは復讐、と各レビューにあるが
わたしは、復讐というより 束縛なんだと思う。
こうしなければ妻を自分の手の中に戻せないのだ。
最後、トイレで妻の写真をみて泣く夫。
ここでボラは夫のものだけになったのではなかろうか。
とわたしは理解した。カレにとっては「幸せ」なのかもしんない。

ジャケのブルーとはほど遠く
かなり男主観、そこんとこはちょっと悔しい。
でも、こういう結末をおんなたちも見た方がいい。
自虐も入りーの。

わたしはこの映画が、かなり好き。最後の15分はつらかったけど。
「あなたのカラダがすき」と不倫相手を抱きしめつつ叫ぶボラ。
カラダには時間がくっついてくる。時間がくっつくと厄介。
だから、幸せな不倫ってきっとない。だからこれでいいの。

夫が最後見る 妻と浮き上がる提灯のような幻想はなんだろうか。
魂?
まだ続きは書き足りない。とりあえず美容院の大きな鏡を前に
考えてみよう。