幸せに至る3つの道:快楽追求道 | 臨床動作法とEMDRによるトラウマ治療専門、メンタルヘルス研修とEAP

臨床動作法とEMDRによるトラウマ治療専門、メンタルヘルス研修とEAP

臨床心理士・臨床動作士・EMDRパート2修了・臨床発達心理士が臨床動作法とEMDRによる個人向けトラウマ治療と、動作法や社会的意味づけによる企業向けメンタルヘルスに関して説明します。

何を手に入れれば人は幸せになるのか、世の中に「青い鳥」はいるのか、心理学者たちは研究してきました。現在のところ幸せになるためには3つの生き方があるとわかってきました。今回は、その1つ目についてお話ししたいと思います。

1つ目の生き方は、「The Pleasant Life」、快楽追求型の人生です。なるべく多くの快楽を感じ、欲求を満たし、それらを強く感じられるようにするというものです。



 おいしいものを食べる、人々から賞賛を浴びる、ギャンブルに興じる、スリルを味わう、性的な満足を得る、大金を手に入れる…そういったことを求め手に入れていく人生ということができます。



 しかしながら、この「快楽追求道」には難点があります。この快楽で得られる感情は生まれながらにしてある程度(50%)は規定されているということです。



 つまり、このポジティブな感情は環境や訓練などによって強く感じるようになるのが難しいのです。確かに、意識を集中することやネガティブな感情を減らす訓練によってポジティブ感情を増やすこともできますが、それも限界があるということです。



 もう一つの問題は、生まれつきどんなにポジティブ感情を感じやすい人でも、同じ経験に対してはどうしても慣れが生じてしまいます。ビールも初めの一杯に比べて3杯目にはおいしさが確実に下がります。100万円手に入れた喜びは1年後にまで継続しませんし、次に同じ喜びを得るためには100万円では足りなくなります。



 そして、この快楽追求道に進むことは時に破滅の人生をもたらす可能性があるということで問題ありです。何らかの依存症に発展したり、より強い刺激を求めて薬物に手を出したりしてしまいます。一般人から見るとお金も地位も名誉もある人が薬物依存症になったり、自殺したりすることがあります。年収が1億円あっても、お金を求める快楽追求の生き方をしていれば常により多い収入がなければ満足できなくなるのです。



快楽があれば人生はとても楽しいものになります。でも、今ご理解いただいたように快楽追求だけでは幸せになるのは難しいようです。



 もしこの快楽追求道によって最高の幸せを手に入れるとすれば、死ぬまで少しずつ快楽の量を増やし、質を向上させ、それを感じる感受性を高め続けていく必要があります。



 次回は、2つ目のフローについてご説明させていただきます。