『エレンディラ』
ガブリエル・ガルシア=マルケスが描いた6つの短編と1つの中編を収めた文庫。
■ 「大きな翼のある、ひどく年取った男」
■ 「失われた時の海」
■ 「この世で一番美しい水死人」
■ 「愛の彼方の変わることなき死」
■ 「幽霊船の最期の航海」
■ 「奇跡の行商人、善人のブラカマン」
■「無垢なエレンディラと無情な祖母の信じがたい悲惨の物語」
どれもが幻想的・夢想的な物語だが、最初の作品はその最たるものだった。これを読んだ時は、いつだったか読んだ 『肩胛骨は翼のなごり』 を思い出した。『肩胛骨は・・・』 よりもシュールで無常だけど・・・。
6作目までの短編は、幻想的すぎて意味の判らないこと、コロンビアの人たちの心情が理解出来ないことも多々あった。
どうも何かを読み逃しているような気がする・・・? もっと根元的なことが暗喩されているのに、無知な私はそれを読み取れないのか!?
最後の7作目 「無垢なエレンディラ・・・」 はこの作品集の中では一番長くて75ページ程度。中編といえる作品。それだけにストーリーがしっかりしていて一番面白かった。主人公のエレンディラと彼女の祖母、二人の人物の心情も理解しやすい。
先日読んだ 『予告された殺人の記録』 も、この短編集の中の「無垢なエレンディラと無情な祖母の信じがたい悲惨の物語」も、この作家の作品は長いものほど、私の好みに合った。
次は長編を読んでみよう。。。