行政活動の評価 -(1) | やぐち おさむのブログ

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◆行政評価の導入の時代から運用の時代へ

 行政評価・施策評価は1996年に北海道や三重県で導入されたことがきっかけとなり、ここ10年間に多くの自治体で導入され、運用されてきた。

 総務省の調査によれば、平成20101日現在、都道府県・市区町村において846団体(45.6%)が行政評価を導入しているという。

 200959日・10日に日本行政学会が広島大学で開催され、共通論題と分科会で、評価に関する報告と討論が行われた。

 ここでこうしたテーマが設けられたことから、評価は自治体にとって依然として重要なテーマであると考えてよい。

 しかしながら、評価の現状について、「評価疲れ」と呼べるような評価に対するマイナスのイメージが評価担当者には広がっていること、依然として評価の成果としてとらえることのできる目に見える効果が不明確なこと、などの点が確認されたといえよう。

 政策評価は制度導入の段階は終わり、制度運用の段階に入ったことを考えれば、これまでの経験を踏まえて、政策評価制度を再検討する必要がある。


◆なぜ行政は評価を行うのか

 民間企業では、その商品を市場に出すということを通じて、企業自体が評価されている。

 企業が市場での商品販売に依存する限り、市場における評価の対象とされ、そこでの評価が下がれば、企業としての存続自体が危うくなる。

 市場は商品売買の場であり、すなわち消費者の判断・評価の場であり、消費者から選択されない商品は市場から淘汰され、企業の評価とつながっていく。

 それに対して行政は、こうした市場が存在しないため、消費者の評価に代わる仕組みを意図的に導入しないと、非効率あるいは効果のないサービスが継承されてしまう。

 予算の算定や計画の進捗管理など評価に近い活動が全くないわけではないが、消費者による最終判断に相当する評価はない。行政は評価を導入しなければならないのである。

 では、消費者評価に代替する行政の評価とはなんであろうか。

 言うまでもない市民評価である。納税者であり、行政サービスの受益者でもある市民による評価こそ、行政評価にとってもっとも重要な評価である。