去年の７月の頭に５年間付き合ってきた恋人とヘンな別れ方をした。
ヘンなっていうか、まぁ互いに望まない形で別れることになった。
当時、涙の冷たさを感じながら、ここに活字を綴ることがダマになった気持ちを飾らず吐き出す唯一の方法だった。
あの時の私は、悲しみの中にほんの少しの安堵感を覚えていた。
もちろん悲しかったことに嘘はない。
ただ、そこには言葉にならない色んな気持ちが存在した。
あの頃、スーパーの入り口に並ぶ笹の葉に結われた短冊をひとりぼんやり見上げていた。
願うことさえ見つからないで、ただ見上げていた。
「来年の七夕には、そこにいる自分に必ず笑顔を渡す」と、私はここで誓った。
今じゃない、遠くを見るんだって、あの時の自分に１年先の幸せを約束した。
今年もアルタイルとベガは変わらずに、１年ぶりの再会を心待ちにしているだろうか。
私は、自分への約束を果たせる日がそこまで来ている。
「また誰かのとなりで短冊を書いているのかな」って、あの時の自分が漠然と描いた青写真が今ここには存在してる。
だからもう泣かなくていいよ。
もう泣かないで。