カードの価値 | ブラウザ三国志ノート 「軍令」

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w2鯖 ★ゴン太王国★戦場カメラマン・ナミ@ZTKの戦争実況中継ブログ。非戦時は適当。

前回の更新記事についてDukeさんからこんなコメントがついていました。

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ちょっと暴論な気もします。
でも、レベルカードの価値がほぼ無くなっているのは同意です。
ちなみに、レベルカードの価値がここまで無くなって来るという事は、戦争目的以外でのスキルでは軍令・鹵獲、同盟活動ではNPC攻略、レイドその他諸々の価値が落ちてくるのと同意だと思うのですが、現役でプレイしていらっしゃるナミさんはどうお考えですか?
特に同盟活動系への影響については様々な報酬を見直さないと駄目だと個人的には考えているのですが・・・


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とりあえず、カードの価値というものについて考えてみます。

このゲーム、カード育成のジャンルとして元々いくつかの基本路線というものがあります。
それはだいたい3期頃で固定しはじめ、ごく最近まで確固たるゲームの基盤を築いていました。


①単騎攻撃武将

最も重要な役割は高★領地の確保。他に序盤のデッキ戦における兵の代わり。
基本鈍足のパワー一辺倒なカードで速度に気を使うとパワーが削れるのでポイント振りが悩ましいが、その絶妙なバランスがまたゲームの趣のひとつとなっていました。

→覇軍カードの登場によって高武力高速カードの育成が実現。旧式カードの価値暴落。
→全軍令によって★9を確保するのが格段に容易に。単騎カード自体の価値が暴落。

結果、単騎で一流と言われるカードの敷居が異常に高くなり、80万以下程度の単騎カードは目も当てられないレベルで価値が暴落。逆に言うと単騎パワーが弱点の無~微課金層にはそれなりの高武力が安価で入手できるようになりプレイの幅が広がることとなりました。

単騎カードの一番の仕事が「高★確保」から「いかに敵の防御を打ち破ってダメージを与えるか」という戦争に特化したものに変わった結果です。



②速度遠征武将

このゲームが序盤のNPC攻略で期全体の運命が決するといっても過言ではないのはご存知の通り。
遠征訓練所の実装によっていよいよ時代は速度マンセーとなり、いまでは速度武将は常時速度300とか400以上なんてのが当たり前となってきました。
結果、戦争においても秒単位での操作が必要となり、アクションゲーム的な側面を持ちはじめます。
ただ速度に振りすぎると武力が貧弱になるため地雷で爆死しやすかったり、結局のところ①の単騎パワー武将と同じで何かに秀でると何かにぬかってしまうというバランスがこのゲームの戦略性を高めていました。
そして覇軍カードの登場によって、速度300で100万単位の武将が襲撃できるようになりました。
この結果、「ただの領地を武将や兵で守って進軍を阻む」という戦争でいえば敵の進路を読んで防ぐという当たり前すぎる戦略が死にました。わかっていても守れないから皆拠点防御に力を注ぐようになり、戦争は本拠や戦略拠点における撃ち合い、援軍の差し合いがほとんどの淡白なヘビー級の殴り合いのような形式が主体になり、カードパワーの乏しいプレイヤーが地形や進路妨害を駆使して「隣接させない」というアウトボクシング的な戦略は滅亡しました。
例外的に領地をめくらせないスキルが登場していますが、これを駆使するには結構な課金パワーも必要で、さらには謀反系を装備した覇軍カードの進撃を止めるほどの性能もなく、単にデカいヤツが勝つという柔よく剛にひねりつぶされる時代になりました。



③大砲

全軍令が登場し、それまで猛威を奮っていた軍極が終了しました。

 

この悲しみ この怒りをどう表現したらいいのか



しかし、実際の戦争では破壊力だけがあっても援軍で返り討ちにあってしまうため、今では相手のエース格を落とすためには本拠そばに大軍を詰め込める軍事砦を複数のエースが建立し、そこに同盟員が援軍をガッチリ詰め込んでエースたちが破壊力+速度を兼ね備えたぶっ壊れ武将で集中砲火をかます、というのがメイン戦略となっています。

これに関しては、極撃→大極撃→大神撃→大天撃 とどんどんバブリーに実装されていったスキルによって作られた歴史と言えるでしょう。これについては実際の歴史でも刀や弓矢による戦いから戦艦、飛行機へ、そして大陸横断ミサイルや核兵器へと時代は変わっていったように、時間が経てばゲームも進化(と言えるかどうかはわかりませんが)の歴史を刻むのです。

 ただモノが古くなるのが最近はやすぎじゃね?


④内政官

かつて糧村には高知力でスキル満載の案山子を常駐させるのは当たり前でした。
しかし鹵獲武将の登場によって内政官の価値は低下しはじめます。
今では考えられませんが、実はこの「鹵獲系」の武将というものは実装当初はさほど注目されていませんでした。
おそらく実装後半年から1年近くは案山子主義の保守派が大多数だったと思います。
ところが何をきっかけにしたのか、鹵獲が急激に認知されはじめ、あっという間に資源確保は鹵獲が中心の時代になり、ここ3期くらいはその傾向がどんどん強まっています。
そして一部の怪物たちによりどのくらいの鹵獲カードでどれくらい鹵獲すればどれくらいで何万の兵が確保できるかなどが細かく計算され、今では保護明け同時に数万の兵を焼き上げる猛者も少なからずいるそうな。

結果、内政官で意味があるのは建設大臣だけになり、陸遜呂蒙や二張などの一部の育成すれば即完武将に育つモノ以外は見向きもされなくなりました。まあ鹵獲パワーが十分でなかったり、単純にリアル時間貧乏なプレイヤーにはいまだ案山子は重要なので最低限需要はありますが、時代の主流でなくなったことだけは確かです。

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さて、私はこのブラ三、3~8期くらいが面白さのピークだったと思っています。
その理由として、まずゲームの流れが

開幕→しばしの遠征期間→軍事準備期間+外交→戦争→終戦処理→レベル上げ

という感じで、だいたい開戦が開始2ヶ月前後、戦争が1ヶ月弱程度続き、ラスト数週~1ヶ月程度がレベリングという感じで戦争に負ければレベリングもままならず的な状況になるため結構必死なものがありましたし、戦争にも緊張感ってものがありました。

わかりやすくいうと、開幕からの遠征ステージ、開戦前の外交ステージ、戦争ステージ、終戦後レベリングステージがそれぞれ独立したゲームとして成り立っていたわけです。
今では速度武将がバブったせいで遠征は一週間程度で終了してしまいますし、各鯖がほぼ1~2強時代になってしまっているため外交パートも一般にはほとんど無縁の世界となっています。
当然開戦が早く、軍事強化の圧倒的な大同盟が超有利になるため戦争そのものも長くて1ヶ月程度で、しかも勝ち側は圧倒的で負け側も圧倒的なので緊張感もクソもありません。

結果、レベリングステージが異常に遷延化するため、プレイヤーにも厭戦気分が蔓延します。
そのくせ合成の敷居はあいかわらず高い、というかより高くなっていってるために育成ムードの低下がどんどんはげしくなるわけです。
そもそもカードの育成ってのは一部の育成フェチを除けば「強くなりたい」ためにやるわけで、その「強くなった効果」を体感するときこそがプレイヤーの至上の喜びなわけですよ。
ところが今のシステム、カード状況ではいわゆるエース級以外では自分の成長を体感するのが難しいわけです。そうなると、ほとんどのプレイヤーは「このへんでいいや」ってなりますよね。
結果鯖全体の課金額が低下する→運営は新カードなどをどんどこ追加して廃人を煽る→廃人たちの課金によって一時的に持ち直すがすぐ儲けが下がる→さらに追加煽り→そのうち廃人たちもアホくさくなってくる  というヘタレスパイラルの典型に陥ってるのです。

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さて、いろいろ書いてみると、このブラ三における「死に至る病」がいったい何であるのか。

まずひとつめ。「覇軍カード」の実装。
これによって多くのカードが過去のモノになってしまいました。
しかし覇カードの罪はそこではなく、「弱点のないカード」であるということです。
デカいものは遅い、素早いモノは非力、バランス型はどっちもそれなりだが器用貧乏。
これはゲームにおける普遍の原理です。

春麗の速度で動く高速ザンギエフがいたら手がつけられないでしょう。
逆に春麗のビンタ一発でゲージが半分削れてたらゲームになりません。

そう、この覇軍カードってのはわかりやすいバランスブレイカーなんですよ。
はっきり言えば、この覇軍カードはスキルレスで4枠ある、それだけで十分でした。
ポイントを余計に振れるというシステムは実にゲームとして余計でした。
この覇軍カードは完全に失敗だったと思っています。


ふたつめ。NPCの強度およびシステム。

NPCが弱すぎるから遠征パートが数日で終わってしまうわけです。
10日もかからず拠点10になる今の状況こそが最も異常であるわけで、結果各パートがどんどん短くなって最後のだらだらモードだけがやたら長い。
極端に言えば、NPCが武将単騎で落ちてしまうなんてのは論外であり、★3以上は今の武将砦くらいの強度にしたっていいと思っています。城にいたっては落とせるか落とせないかギリギリくらいでOK。かつては城を落としたいけど城を落とす戦力を使ったらそこを他同盟に突かれるかもしれないのでどうするか、なんて判断が必要だったくらいで、この駆け引きも非常にゲームを面白くする要素でした。14鯖1期で、世界全体を敵に回して劣勢になった最強同盟「三盟」はその劣勢の中であえて城を攻略して味方の士気を鼓舞しました。世界全体を敵にしてなお城を落とすという戦略的には暴挙かもしれない行動が、ボロボロの戦士たちの最後の戦意を駆り立てたのです。

個人的には理不尽なまでに強いNPC軍団にプレイヤーが団結して立ち向かうような構図を現実として見てみたいです。私が運営なら死ぬほど強いNPCが攻めてきまくるとか、レベル500の理不尽単騎の雨が降ってくるとか、それくらいのことをしてもいいと思いますね。
レイドのように1ヶ月レベルのイベントとしてNPCたちと戦争をするってモノがあったら楽しいんじゃないかなあと思います。NPCに配下化されても同盟から外れずにひとこと掲示板などは保持されたまま、扱いだけ配下みたいにすればいいだけなので、さほど難しいことでもないんじゃないかと思うのですけどね。


みっつめ。ライトプレイヤーへ愛の手を。

さすがに廃人とそれ以外の差が開きすぎました。ただこの差をただ縮めてしまうと今度は肝心の収入源である廃人のやる気がなくなるので、彼らが俺TUEEEEEEできながらもライトプレイヤーがさほどみじめにならない工夫が必要です。たぶんこれが一番難しい。
私はこれについて一番いいのはUC覇軍の実装、3.5UCの実装だと思っています。

最近実装された4コストR魯粛。アレは久しぶりにいい追加だと思いました。
4コストでステータスは微妙でなによりスキルが守護「防」陣。
すばらしいカードです。超高性能なんだが完璧というには右肘に違和感というこのさじ加減こそがこれからのブラ三に必要、というよりかつては当たり前だったものを取り戻すだけなんですが、一番大事なことでもあります。



他にもいっぱいあるんでしょうが、クソ長くなるので(つかすでにクソ長ぇ)割愛。


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さて、最後にDukeさんの質問への回答をば。
私はこのブラ三の現況に対して見直すべきはシステムただ一点だと思っています。
運営からプレイヤーへの報酬をいじくりまわしたところで、それはいわゆる対症療法にすぎず、根治療法とはなりえません。
言葉は悪いがブラ三はどんどん「つまらなくなって」「飽きられている」からこそ人が減っているわけで、ならばこの状況を打破するには再びブラ三が「面白くなる」以外に方法はないのです。

そのためにはまず次から次へと上書きする高性能スキル実装をやめること。
とりあえず運営は「大鳳撃」の開発はすぐに中止しれと忠告します。
そしてNPCをクソ強くして、同盟人数の上限を100人程度にする。そんで1シーズンに2回のレイドを実行してレベリング期間の重要性を低下させだらだらモードの時間を極力短くすることこそがブラ三がかつての輝きを取り戻す鍵と思います。

私はかつて(3期)、後にも先にもこのとき一度きり、ゲームで号泣しました。
ドラクエでもFFでも感動してうるっときたことはありますが、本気でゲームで号泣するなんてことがあろうとは思いませんでしたし、これからもないかと思っています。
ですがブラ三はゲームでありながらもこれだけの感動、ドラマを作るだけのクオリティをかつて誇っていたのは事実です。熱く戦争しながら仲良しコミュニティも形成するというゲームでありながらゲームの枠を越えて人とのつながりができることこそがブラ三の真髄でした。
ここはゲームシステム以外でもたとえばひとこと掲示板の超高性能化とか、ワールドチャット実装とか、少し目線を離して全体像を見つめるといくらでも先を見ることができるのではないかと思います。

あー本気でクソ長ぇ~zzz





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