「覚悟」はあるか | 日本の片隅で「バカ!」と叫ぶ

「覚悟」はあるか


『さまよう刃』 東野圭吾/〔著〕 を原作にした同名映画が話題を呼んでいるが、フランスでは『27年前に娘を殺された父親が国家間の確執により逃げ失せていた容疑者を誘拐(を依頼)』 した事件が話題となっている。被告人不在のまま過失致死罪で禁固15年の判決が下されていた同容疑者はそれに則り逮捕されたが、同時にこの父親も誘拐共謀罪で最大で禁固10年の刑を受ける可能性があるという。恐らくこの父親はそんなことは百も承知だったと思うが、多くのマスコミがいう「復讐」とは違うものと私は思う。もし復讐であるなら殺害していただろうから・・・。この父親は自国の法の元で容疑者が裁かれることを望み、そのためには自分も法により裁かれることを受け入れたのである。言い換えれば「覚悟の上」のことだったのだ。母子加算満額復活が確実になったことを、やっと今日のTBS「朝ズバ 」が取り上げていた。「当然だ!」と言い続けて来た司会のみのもんた氏も今回は熟考したようで、「藤井財務相のおっしゃることも当然・・・」と発言していたのが印象的だった。だが、「コンクリートから人へ」を大儀名文にすれば何でも許されて良いのだろうか。


母子加算12月に復活…厚労相、首相に直談判
『今年3月末で廃止された生活保護世帯への母子加算が、12月に全額復活することになった。藤井裕久 財務相と長妻厚生労働相が22日に財務省 で協議して最終合意したもので、政府は23日の閣議で、今年度予算の予備費 から58億円を充てることを決定する。

母子加算は、月約2万円を生活保護費に上乗せして支給するもので、自公政権は加算が手厚すぎるとして2005年度から段階的に削減、今年3月末で全廃した。復活するのは12月の生活保護費支給からで、対象は約10万世帯。これに伴い、母子加算の代替措置だった「ひとり親世帯就労促進費」は廃止される。民主党は、先の衆院選の政権公約(マニフェスト)で、自公政権が廃止した母子加算の復活を掲げたが、必要な費用については、財務省が約半額への圧縮を主張し、厚労省 との協議が難航していた。このため、業を煮やした長妻厚労相が21日夜、首相公邸へ出向き、鳩山首相に直談判。首相はその場で藤井財務相に電話し、マニフェスト実現に向けて協議を進めるよう求め、最終的に財務相が折れた。22日の協議には、両省の副大臣、政務官らも出席した。

マニフェスト達成か、予算削減かの間で鳩山首相が仲介役を果たす初のケースとなったが、この“駆け込み談判”に財務省は不快感を隠さない。野田佳彦 財務副大臣は22日の記者会見で、「いきなり官邸に持ち込んでの判断にならないように」と厚労相にクギを刺した。 (2009年10月22日23時15分 読売新聞)』 [PR]月額263円でPHP・MySQL対応のレンタルサーバー、ミニバード


長妻厚労相は総選挙中のマニフェストを断行することが政治だと思い込んでるようだが、だったら同氏の最大の公約である年金問題と後期高齢者医療制度 問題はどうなった。財務省はおろか、ご自分が直轄する厚労省さえまとめることも出来ず鳩山総理に泣きつくとは・・・。果たしてのこれのどこが「脱・官僚=政治主導」なのか。藤井財務相からは「22年度は別だから・・・」と、野田財務副大臣からは「いきなり官邸に持ち込んでの判断にならないように」とクギを刺されたようだが、身内からも不甲斐なさを指摘されるようでは年金問題も医療制度改革 も期待は出来ない。「ばら撒くだけならサルでも出来る」のであり、有能な官僚をコントロールする能がなければ国民の最大関心事のひとつであるそれらを解決するのは無理である。この悪しき前例に各省庁では早くも、「財務省から切ると言われたら、大臣には長妻氏と同じように官邸に駆け込んでもらう」との声が出ている。


一方、長妻厚労相から抜け駆けで泣きつかれ「OK!」を出した鳩山総理は、普天間移設問題他について結論を先延ばしにした。総理は「米側の求めには応じない姿勢を明確にしたものだ」と記者団に述べたが、ではその代替はどうする? 自民党政権下の属国 政策から転換するのは良いが、米軍再編 を含め、「真の独立」を主張するということは責任もこれまで以上に重くなるということ。有事の際には米軍をあてにせづ、「先制攻撃 が許されていない自衛隊」のみで守ることも覚悟するという意味だ。あなたにはその覚悟があるか。これは基地移設の是非を言っているのではなく、美辞麗句だけでは駄目だと言っているのだ。八ッ場ダム 中止が決定されればその補償に莫大な税金を投じることを前原国交相は言及し、世論調査の結果によれば多くの国民は「それでも良い」としている。これは国民の覚悟だろう。だったら同じように「沖縄米軍基地 問題」についても、「一般母子世帯より生活保護を受けている母子世帯の収入を増やそうという政策」についても、「所得制限無しに富裕層 にもばら撒く子供手当て」についても、それらを歓迎するのであれば多大なる負担を覚悟すべきだ。米軍問題への覚悟については先に述べた通りで、政権交代を理由に国家間の決め事まで容易に反故にする国家など世界は信用しない。母子加算及び子供手当てへの覚悟についてはこれまで散々と書いてきたので今日は省略します。


「民主党を批判することは、八ッ場ダムのよな無駄な公共工事を容認することだ!」と主張する方がいるが、この単細胞思考は自民党を増長させたのと根源は同じである。「政権交代したばかりだから、長い目でみてやれ」という田吾作もいるが、そういう今だかこそ軌道修正が必要なのだ。地図上にものさしを置いてみればよくわかります。基点を1度間違えたら、遠くへ行くに従い狂いは限りなく大きくなって行く。そうなってからでは遅いのですよ。「国民目線!」と言いながら、仕事もせずたった2日で約200万円もの報酬を貰った国会議員 とは違い、我々庶民は「長い目で見守る」などと悠長なことは言ってられないのだ。「政権交代したばかり」を理由に、納税や公共料金引き落としが猶予されますか? 我々の終わらない日常は待ったなしに疾走しているのですよ。


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