お酒はお出ししておりません。 | 善司郎食堂部ナカムラのブログ ”クチコミほどでもございません”

善司郎食堂部ナカムラのブログ ”クチコミほどでもございません”

インスタには載せない
内側のはなし、という
テイストのブログになりました。
(毎日更新、、、でもなくなりました)
ブログタイトルはグー*ルレビューで
ありがたくもつけていただいた評価から

松原工房さんのように
ストア通信とうつわ日記とで
ブログの棲み分けが出来ていると良いのですが、
あいにくこれ一本で行ってますので
店のことも、私的なことも
一緒くたのブログとなっておりますが、

ここいら辺りでは、
新しく個人の飲食店が出来たら
居酒屋さんだと思われる傾向が強くあります。
まあ、もともとは、昔うちがそういう
一杯飲み屋のようなことや
寿司カウンターで寿司屋をしていた時代がありましたし、
二階で宴会をもしていた、ということが
大きく影響しているのだろう、とも
思いますし、
都会のように様々な大きな娯楽のない地域ですので、
その受け皿として「飲み屋」さんが
沢山沢山ある土地柄でもありますし、
実際皆さん飲むのが大好き、集まるにも居酒屋さん。と
言う感じですから、
よーくよーく分かります。

ではなぜお酒を出さないのか、
ちょっとその辺について書かせて頂きますと、

6年前に食堂部を始めたその時から
酒ないんか、酒置かんのか、酒出さんのか、と
ずっと言われ続けて参りました。
今回のリニューアルでも、近隣では
「あそこはやっぱり酒出さんらしいもんで、わしら行けんやんけー」
と、おじさんたちのウワサになっているのだとか。

わたしは、この6年の間に
補助金を受けんがため、というのが、
第一の目当てではあったのですが、
商工会さん主催の経営のセミナーなども数回受けてみて、
このわたしの、「酒を出さない店」という方針は
営業の方針としても、自分の生きて行くスタイルとしても、
今はこれで良いと信じています。

近隣のお店さんが狙っていないお客様の層を狙う!
近隣のお店さんがやっていない時間帯の営業!
近隣のお店さんがやっていない営業形態!

うちの独自路線として、
お酒を出さない。というのは、
良い方向性なのではないかと思っております。
「近隣のお店さん」と同じではない営業形態なのですから
「近隣のお店さん」がスタンダードだ、と思って居られる層の
お客様がたから、
酒を出さないなんて、と思われるのは、
よく考えれば当然のことなのです。
簡単に言えば、この辺りでは変わった店。であると思います。


それから、
お酒=夜の営業です。
お酒をお出しすると、必然的に夜の営業時間が長くなります。
うちの父親は、わたしが生まれた時に
寿司のカウンターを閉め、それからは
仕出し業務と時々の宴会に仕事の業態を変えた。
と聞いて、
ナカムラは育ってきました。
「こどもと飯が食えなくなるのはイヤだ。」と
父は言っていた。と母から聞いています。
と言っても私の記憶のなかでの父親は
父親らしい、と思える記憶はあまりないのではありますが、
確かに夕飯は家族そろってのものでした。
今思えばのことです。

食堂部をリニューアルして、
しばらくしてから営業時間を18時までに短縮させていただきました。
なぜか。それは同じことだったのです。
わたしも息子と夕飯の食卓を囲みたいなと思ったのです。
リニューアルオープンして一週目か二週目の
しっちゃかめっちゃかの時。
間に合わないので早朝から準備をし、
間に合わないので閉店(この時は19時半まで営業)してからも仕込みをし、、、
となった数日、
気がつくと一日のうち一度も子供の起きている姿を
見ていなかったのです。
世の中のお父さんもそんな方は山ほど居られると聞きますが、
会社に勤めているわけではなく、
自分自身で働き方を作ることができるという有り難い状況なのに、
今日のこれはなんなんだろう。
わしの人生ってなんなんや。と、思った時、
営業時間の短縮と、定休日の追加を考えました。
仕事に時間を費やしすぎては
自分の人生や家族に費やす時間が無くなってしまう。
そう思ったのです。

人はあっけなく死にます。
それは父から学びました。
父享年52歳。その時ナカムラは15歳。
すべての人に平等にいずれ訪れるものですが、
ならば自分でその時までに出来る限り自分のしたかったように
生きようとしても良いのではないかと、
そう思って、
今は子供と晩飯の食える家でありたいなと、
そう思いまして、
善司郎食堂部では、今の営業の形態では、
お酒をお出ししないことにしたのです。

ガーーッツリ、家のローンの支払いをしていながら、
なにを悠長なことを。というお話に
見えるかもしれませんが、
お酒を出さずとも商売が成り立っている。という店が
この地域で一軒ぐらいあっても良いんじゃないのか、
家のことを大事にしているサービス業従事者が
あっても良いんじゃないのか、という
少し挑戦の気分で居ります。
サービス業への挑戦。いいのかそれは。笑
そうやって自分の商売が
成り立ってゆけるかどうかは、
これからの頑張り次第だと思って居ります。

長くなりましたが、
以上が善司郎食堂部でお酒をお出ししていない理由なのです。



さて、真面目な話を長々と書きましたが
今日のオチとしまして


子供が大きくなって、
一杯飲み屋も、ええなあ。、と
心境が変化しましたら、
お酒を置く店に、なるかも?しれませんね。
(結局やるんかーい)