政府答弁書の注目点(独立行政法人・国立印刷局)
秘書です。本日の政府答弁書の注目点です。
(問1)公益法人・特別民間法人の不要資産の返却問題
公益法人・特別民間法人が保有する国債で国の補助金等に係るものが不要となった場合、「国庫へ返納させることは可能である」。
ならば、なぜ、公益法人や特別民間法人には、今回の法改正で独立行政法人に課す「不要な財産(国債を含む。)のうち、政府の出資又は支出を財源とするものを、遅滞なく国庫に納付することを義務付け」を課さないのでしょうか?
法律で一網打尽にしないで、「運用で」というのは多くの抜け穴が残り、一部の見せしめ法人以外は無罪放免となる危険がある。
この「法律上は可能なので運用でやります」というのが民主党政権の特徴。
しかし、改革とは運用ではなく法制度改正でしょう。
なぜ、法制度改正をしないのか?
(問2)独立行政法人からファミリー法人への天下り禁止条項の復活問題
福田政権時代の独法通則法改正案にはあったけど、民主党政権下の今の法案からはなくなったものに、独立行政法人からファミリー法人への天下り禁止条項があります。この条項を復活させる修正については政府答弁書は「考えていない」と。
その理由は、昨年12月25日の閣議決定で「検証し、必要な措置を講じることとしているから」なんだそうです。
閣議決定で必要な措置をすることにしているから、法律で禁止する条項をはずした。これはおかしくないですか?
普通は、閣議決定により、法律を改正するように思うのですが。それとも、法律よりも、閣議決定に基づく必要な措置のほうが禁止の効力が強いんでしょうか?いいえ、弱いでしょう?閣議決定違反をした場合、誰がどんな処罰を受けるのでしょう?
「法律による禁止から閣議決定による禁止へ」というのは、民主党流の「天下り規制緩和」ではないのでしょうか?
(問3)独立行政法人国立印刷局の不要資産処分問題
独立行政法人国立印刷局の不要資産については、政府答弁書は、国に現物納付される予定であり、「その処理方針については、現時点では政府として決定していない」としています。
しかし、下記の3月10日の衆院内閣委員会の枝野・菅両大臣の答弁をみてください。「売却・活用」の方針があるかのごとき答弁をしているではないですか。国会で大臣が答弁しても、何の責任もないのでしょうか。この政府答弁書だと、「塩漬け」「霞が関埋め戻し」の危険性が極めて高いといわざるをえません。
衆院内閣委員会議事録(3月10日)
http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_kaigiroku.htm
○枝野国務大臣 ・・・今回、売却の上現金で納付という形にせずに、現物で納付という方向で、事業仕分けの結果を踏まえて対応をということにいたしましたのは、国立印刷局という独立行政法人が、その独立行政法人の判断と責任で売却をしていただくよりも、国の資産をしっかりと国民の視点から有効に売却する、あるいは活用していくという観点で、一括して対応した方がより効果的であるというふうに考えましたので、勝手に売らないで、むしろ、より高く、あるいはより有効に使える方法を、私ども行政刷新の立場も含めて、政府として対応するので現物で返せという方向で取りまとめたということでございます。
○菅国務大臣 先ほども申し上げましたが、今御指摘の三カ所については、国へ現物で納付の予定がされておりまして、その後どうやってそれを売却ないしは活用するかということで、今も中川委員が言われましたが、久我山運動場については、杉並区、東京都から公園施設としての利用要望も出されておりまして、また、周辺の地域を含めた都市計画公園区域に指定されているということもありまして、そういう中でどのように、例えば都なり区に売却ができるのか、どうできるのか、そういうことを検討していると聞いております。
また、大手町の方も、すぐそばにいろいろと、NTT、NHK、日本郵政株式会社等々が近くにありまして、再開発計画を策定中と聞いております。そういう再開発の中で、これも、売却になるのか、あるいは一緒にそういう事業をやることになるのか、そういう形で進めておりまして、決して、何かそのまま持っておこうということではありません。
市ケ谷についても御指摘がありましたが、確かに一部に大きなマンションが建っておりますが、これはいろいろな議論があるところだと思います。すぐ隣接して機動隊の本部等々もあって、そういう民間的な活用が望ましいのか。ある場合には、逆に民間的なものが望ましいところがほかにあれば、そういうものと振りかえてそういった利用がいいのか。ここは、一つの活用のあり方としては、大いに透明な形で議論する必要があるかなと思っております。
(問4)独立行政法人の国の機関化と国家公務員身分回復問題
独立行政法人国立印刷局については、政府答弁書は「国の行政機関に移管できないか等の視点も含め」、抜本的な見直しを行うこととしている、としています。
事情通によると、このように一つだけ例示をするとおうことは「国の行政機関に移管」の方向で検討が進んでいることを意味するんだそうです。
実は、この政府答弁書は、全く答弁のすり替えをしています。
質問は下記のように聞いています。
「三月十日の衆議院内閣委員会において、今後、独立行政法人国立印刷局を国の機関化して、同職員を国家公務員に戻し、同職員の給与を上げることはないという理解で良いかとの問いに対して、「趣旨としてはその通り」と回答されたところである。独立行政法人国立印刷局を国の機関化して、同職員を国家公務員に戻し、同職員の給与を上げることはないとすることは政府の方針か。」
全印刷労組の国家公務員身分回復の問題にふれたくないのでしょう。この露骨な答弁のすり替えは、国立印刷局の国家公務員身分復活と給与が上がる問題は、政権としては触れられたくないタブー問題だということなのでしょう!
3月10日の衆院内閣委員会における枝野大臣の答弁は以下の通りです。
http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_kaigiroku.htm
○枝野国務大臣 ・・・ガバナンスするのは、あえて言えば、責任者一人ぐらいいて、なおかつ、現場の部分のところについては、従来独法化によってプラスの効果があった部分をしっかりと残しながら、さらにコストを下げるということは私は十分あり得ると思っていますので、二分論ではなくて、例えば独法とは違う形の、よりコストを削減できる、例えば天下り等のポストをつくらないで済むような、あるいは、過大な資産をバランスシートにのっけないとバランスができないというような変なことを考えなくても済むような形のものにすれば、行政改革、行政刷新の効果がよりあるのではないか、そういう問題意識から発言をしたということでございます。
・・・
○枝野国務大臣 報道が完全に間違っていると言うつもりはありませんが、あえて言えば、舌足らずであった、あるいは報道の部分が、一部分、ガバナンスの部分については独法化によって大きくなっている、その部分のところは、ガバナンスをやる人間の数はもうちょっと少なくできるという意味で、かつての方がそこは小さかった、そういうところの問題意識を持った上で、御指摘のとおり、逆に、改革をすることによって、従来の悪い部分が戻るようなことには絶対しない、むしろ、より改革の効果が上がる方向で進めていく、このことはお約束申し上げます。
○中川(秀)委員 つまり、二割人件費を削減しようというマニフェストを掲げておられるわけですから、また国家公務員に戻して、一二%も給料が四千七百人も上がる、そんなことはしない、そういう意味だと今の御答弁は伺いました。それでよろしいですね。
○枝野国務大臣 趣旨としては全くそのとおりでございます。
今回の政府答弁書は、この枝野大臣の国家公務員給与に関する発言は政府見解ではない、ということなのでしょうか?
大臣が国会で答弁することがこんなに軽んじられていいものか?
(問1)公益法人・特別民間法人の不要資産の返却問題
公益法人・特別民間法人が保有する国債で国の補助金等に係るものが不要となった場合、「国庫へ返納させることは可能である」。
ならば、なぜ、公益法人や特別民間法人には、今回の法改正で独立行政法人に課す「不要な財産(国債を含む。)のうち、政府の出資又は支出を財源とするものを、遅滞なく国庫に納付することを義務付け」を課さないのでしょうか?
法律で一網打尽にしないで、「運用で」というのは多くの抜け穴が残り、一部の見せしめ法人以外は無罪放免となる危険がある。
この「法律上は可能なので運用でやります」というのが民主党政権の特徴。
しかし、改革とは運用ではなく法制度改正でしょう。
なぜ、法制度改正をしないのか?
(問2)独立行政法人からファミリー法人への天下り禁止条項の復活問題
福田政権時代の独法通則法改正案にはあったけど、民主党政権下の今の法案からはなくなったものに、独立行政法人からファミリー法人への天下り禁止条項があります。この条項を復活させる修正については政府答弁書は「考えていない」と。
その理由は、昨年12月25日の閣議決定で「検証し、必要な措置を講じることとしているから」なんだそうです。
閣議決定で必要な措置をすることにしているから、法律で禁止する条項をはずした。これはおかしくないですか?
普通は、閣議決定により、法律を改正するように思うのですが。それとも、法律よりも、閣議決定に基づく必要な措置のほうが禁止の効力が強いんでしょうか?いいえ、弱いでしょう?閣議決定違反をした場合、誰がどんな処罰を受けるのでしょう?
「法律による禁止から閣議決定による禁止へ」というのは、民主党流の「天下り規制緩和」ではないのでしょうか?
(問3)独立行政法人国立印刷局の不要資産処分問題
独立行政法人国立印刷局の不要資産については、政府答弁書は、国に現物納付される予定であり、「その処理方針については、現時点では政府として決定していない」としています。
しかし、下記の3月10日の衆院内閣委員会の枝野・菅両大臣の答弁をみてください。「売却・活用」の方針があるかのごとき答弁をしているではないですか。国会で大臣が答弁しても、何の責任もないのでしょうか。この政府答弁書だと、「塩漬け」「霞が関埋め戻し」の危険性が極めて高いといわざるをえません。
衆院内閣委員会議事録(3月10日)
http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_kaigiroku.htm
○枝野国務大臣 ・・・今回、売却の上現金で納付という形にせずに、現物で納付という方向で、事業仕分けの結果を踏まえて対応をということにいたしましたのは、国立印刷局という独立行政法人が、その独立行政法人の判断と責任で売却をしていただくよりも、国の資産をしっかりと国民の視点から有効に売却する、あるいは活用していくという観点で、一括して対応した方がより効果的であるというふうに考えましたので、勝手に売らないで、むしろ、より高く、あるいはより有効に使える方法を、私ども行政刷新の立場も含めて、政府として対応するので現物で返せという方向で取りまとめたということでございます。
○菅国務大臣 先ほども申し上げましたが、今御指摘の三カ所については、国へ現物で納付の予定がされておりまして、その後どうやってそれを売却ないしは活用するかということで、今も中川委員が言われましたが、久我山運動場については、杉並区、東京都から公園施設としての利用要望も出されておりまして、また、周辺の地域を含めた都市計画公園区域に指定されているということもありまして、そういう中でどのように、例えば都なり区に売却ができるのか、どうできるのか、そういうことを検討していると聞いております。
また、大手町の方も、すぐそばにいろいろと、NTT、NHK、日本郵政株式会社等々が近くにありまして、再開発計画を策定中と聞いております。そういう再開発の中で、これも、売却になるのか、あるいは一緒にそういう事業をやることになるのか、そういう形で進めておりまして、決して、何かそのまま持っておこうということではありません。
市ケ谷についても御指摘がありましたが、確かに一部に大きなマンションが建っておりますが、これはいろいろな議論があるところだと思います。すぐ隣接して機動隊の本部等々もあって、そういう民間的な活用が望ましいのか。ある場合には、逆に民間的なものが望ましいところがほかにあれば、そういうものと振りかえてそういった利用がいいのか。ここは、一つの活用のあり方としては、大いに透明な形で議論する必要があるかなと思っております。
(問4)独立行政法人の国の機関化と国家公務員身分回復問題
独立行政法人国立印刷局については、政府答弁書は「国の行政機関に移管できないか等の視点も含め」、抜本的な見直しを行うこととしている、としています。
事情通によると、このように一つだけ例示をするとおうことは「国の行政機関に移管」の方向で検討が進んでいることを意味するんだそうです。
実は、この政府答弁書は、全く答弁のすり替えをしています。
質問は下記のように聞いています。
「三月十日の衆議院内閣委員会において、今後、独立行政法人国立印刷局を国の機関化して、同職員を国家公務員に戻し、同職員の給与を上げることはないという理解で良いかとの問いに対して、「趣旨としてはその通り」と回答されたところである。独立行政法人国立印刷局を国の機関化して、同職員を国家公務員に戻し、同職員の給与を上げることはないとすることは政府の方針か。」
全印刷労組の国家公務員身分回復の問題にふれたくないのでしょう。この露骨な答弁のすり替えは、国立印刷局の国家公務員身分復活と給与が上がる問題は、政権としては触れられたくないタブー問題だということなのでしょう!
3月10日の衆院内閣委員会における枝野大臣の答弁は以下の通りです。
http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_kaigiroku.htm
○枝野国務大臣 ・・・ガバナンスするのは、あえて言えば、責任者一人ぐらいいて、なおかつ、現場の部分のところについては、従来独法化によってプラスの効果があった部分をしっかりと残しながら、さらにコストを下げるということは私は十分あり得ると思っていますので、二分論ではなくて、例えば独法とは違う形の、よりコストを削減できる、例えば天下り等のポストをつくらないで済むような、あるいは、過大な資産をバランスシートにのっけないとバランスができないというような変なことを考えなくても済むような形のものにすれば、行政改革、行政刷新の効果がよりあるのではないか、そういう問題意識から発言をしたということでございます。
・・・
○枝野国務大臣 報道が完全に間違っていると言うつもりはありませんが、あえて言えば、舌足らずであった、あるいは報道の部分が、一部分、ガバナンスの部分については独法化によって大きくなっている、その部分のところは、ガバナンスをやる人間の数はもうちょっと少なくできるという意味で、かつての方がそこは小さかった、そういうところの問題意識を持った上で、御指摘のとおり、逆に、改革をすることによって、従来の悪い部分が戻るようなことには絶対しない、むしろ、より改革の効果が上がる方向で進めていく、このことはお約束申し上げます。
○中川(秀)委員 つまり、二割人件費を削減しようというマニフェストを掲げておられるわけですから、また国家公務員に戻して、一二%も給料が四千七百人も上がる、そんなことはしない、そういう意味だと今の御答弁は伺いました。それでよろしいですね。
○枝野国務大臣 趣旨としては全くそのとおりでございます。
今回の政府答弁書は、この枝野大臣の国家公務員給与に関する発言は政府見解ではない、ということなのでしょうか?
大臣が国会で答弁することがこんなに軽んじられていいものか?