希望のつくり方 | キャリアカウンセラー 工藤 倫子のブログ ~RINKO KUDO~

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「夢をカタチに!」 私と一緒に夢を探しませんか?

皆さまこんばんは。

いつも私のブログにお立ち寄り頂き

ありがとうございます。




最近とても忙しく 充実していて

しばらく本の紹介をしていませんでした。


本の紹介は結構エネルギーがいるので・・・(;^_^A


こちらも発売と同時に購入し

すぐに読んでしまったのですが、紹介が遅れて

しまいました。



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希望のつくり方  著:玄田有史さま





以前玄田さんの「希望学」 という本を紹介させて頂きましたが

今回の「希望のつくり方」は希望学に書いてあることを

分かりやすくまとめ、新たに色々なエピソードを加えた

という感じです。



私は玄田さんの飾らない人柄、人間味溢れるところ

かっこつけずに正直に生きているところが

とても好きです。



ちなみに私は玄田さんのブログ「ゲンダラヂオ

を拝読しているのですが

携帯で電車の中で読んで、ひとりで噴き出してしまう

こともあります。



それくらい「まったくこの人ったら・・・」

という内容なのです。

とても東京大学の教授とは思えないところが

またいいんです( ´艸`)




さて、肝心な本の内容ですが



そもそも「希望学」というのは玄田さんが作った学問です。

「希望」を学問にしようというのですから、いかにも玄田さんらしい。



「希望とは何か」という章では

希望と幸福の違い

希望と安心の違い

希望を支える4つの柱


等が書かれています。



いきなり冒頭の部分で


「中学校や高校で話をすることが、ときどきあります。

いつからするようになったのかもよく覚えています。

2001年6月13日です。東京のある高校の体育館で

全校生徒に始めて話をしました。

結果はさんざんでした。生徒さんは全然聞いてくれま

せんでした。



同じようなむずかしい状況を、学校訪問しながら何度か

経験して、ひとつだけ決めたことがありました。

すぐに若者に役立つ話やおもしろいと思ってもらえる

話はできません。

けれども、できるだけ正直に思うことをしゃべろう。

ウソをつかず、格好をつけず。

自分が本当だと思うことを、すべてしゃべろう。

そう、決めました。」


「“大学の先生って、いくら給料もらえるの?

大学の先生って、高校の先生よりたくさんもらってるんでしょ

でも、高校の方がゼッタイたいへんだ。高校の先生は

オレたちみないなのを毎日相手にしなきゃいけないのに

あんたたちはラクなもんじゃないの?”

彼の質問に私は、答えることが出来ませんでした。

当時私は36歳で、月給は額面で42万2000円。それにいくらかの

手当てもついていました。


高校生と奮闘する同年代の高校の先生の多くよりは

彼のいうとおり、きっと高い給料だったと思います。



けれども、私は本当のことが言えなかった。

それは“これだけの仕事をしているのだから

それだけの給料をもらえるのは当然なんだ”

と自分のやってきたことに誇りをもてなかったからだと

思います。


そのときの自分を不甲斐ないと思った経験は

今でも鮮明に覚えています。」




こんな風にいささかやんちゃな高校生の言動に対して

「生意気な高校生だ」

とあしらわずに、真摯に受け止め自分を省みる

玄田さんを私は尊敬しています。



私も何百回と「さんざんな結果」に終わった講演会は

ありますが、今思うと

玄田さんのように謙虚に振り返ることが

出来なかったことも多かったように思います。




それから玄田さんらしいことと言えば




経済学は何を学ぶか



「お金をたくさん儲けられるようになるために、経済学部に

入学した人もいるかもしれません。

けれども残念ながら、経済学を勉強するだけでは

お金持ちにはなれません。



では何のために経済学を勉強するのでしょうか。

経済学を学ぶ目的は何なのでしょうか。



“どうすればみんなが今よりも少しでもいいから、

ハッピーに暮らすことができるか。そんな社会をどうすれば

つくれるか。そんなことをバカみたいに真剣に考えるのが

経済学なんです”



私が「ハッピー」というと、学生の中には声を出して笑う人も

いました。


でも、本当にそう思っているのですから、笑われても

気になりません。」



こんな玄田さんが私は大好きです。


本の紹介というより

玄田さんの人柄の紹介みたいになってしまいましたね・・・。



私がこの本の中にいくつかキーワードが出てきますが

その中の一つが

「語る」

という言葉だと私は感じました。



「希望」を考えるとき、「物語る」「語る」ということを

避けては通れないというようなことが書かれてあります。



そして、最後に玄田さんはこう締めくくっています。


希望のことを考えるうちに、とてもあこがれる言葉ができました。

それは「まんざらではない」という言葉です。



まんざらではないというのは、

「人生、つらいこととか、いろいろあるけど、ふりかえって

みると、案外まんざらじゃないんだよ」

といったふうに使われます。


その言葉には、報われるとか、成功するとかといったこととは

ちがう、希望を持って生きることの大切な意味が込められて

いるように感じるのです。




「語る」

こと

「まんざらではない」

と思うこと。




まさに「ナラティブ」なんですよね。




ドミナントストーリーをオルタナティブストーリーに書き換えていく。

この作業こそが「希望を持つこと」に繫がっていくのだと

思います。



「希望」も「人生」も

語る相手がいなければ語れないのです。



そして、「希望」も「人生」も

語る相手が変われば、内容も変わるのです。



希望を持って生きていくためには


苦しいときや試練を乗り越えられるようになるには


人生を振り返ったときに「まんざらではなかった」

と思えるようになるには


「三人、分かってくれる人がいれば大丈夫」



だと言った方がいらっしゃいます。



どんな方かを知りたい方は

是非読んでみて下さいね。




その他


無駄の効用

希望は出会うもの

必要な無駄

大学・学部の選び方

キャリア教育



など本当に色んなことが分かりやすく、玄田さんらしく

書かれてあります。





ちなみに「ゲンダラヂオ」によると


大好きな呑み屋の女将さんに

この本のことを


「これは好きな人と嫌いな人とはっきり分かれるね」


と言われたそうです。


「そうだと思う」

とご本人も書かれていますが

そうかもしれません・・・。




もちろん私は大好きですからお勧めしますv(^-^)v




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