今回から、和漢朗詠集の伝藤原行成筆「大字朗詠集」のかな部分を自習、スタート。もちろん、先生にご指導・添削をいただいています。
和漢朗詠集についてはこちら 。
しら徒ゆ毛し具礼毛い多く毛
るやまは志多はのこら春茂
みちし尓介利
【巻上 秋・紅葉】
しらつゆも しぐれもいたく もる山は 下葉のこらず 紅葉しにけり 貫之
◇訳:白露がしとどに置き、しぐれもひどくもれこぼれるこの守山あたりの木々は、こずえの先はもちろん、下葉まで残らずいっせいに紅葉してしまいました。
◇参考:もる山…現在の滋賀県にある守山(もりやま)。出典は『古今集』秋下、『貫之集』十・雑など。それらによれば最終句は「色つきにけり」。「もみぢしにけり」とするのは『俊頼口伝』。
[参考文献:川口久雄『和漢朗詠集 全訳注』講談社、1995年<21刷>]