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 3月16日午後9時からのNHKスペシャル「メルトダウンの最新報告」は私にとって初めて知る情報が盛り沢山だった。


  2号機の放射能の大量放出の原因の一つに、電源がなくても動く冷却装置のRCICからの水蒸気漏れ が関係しているというのは初めて聞いた。また3月12日の1号機のウエットベントが放射性物質を水で十分吸収していなかった原因も初めての情報であった。


  事故発生当日3月11日の夜、1号機は圧力容器に水があるからメルトダウンは起きていないという東電からの報告であり、格納容器の圧力が上がっているのでベントをしたいが、水を通すウエットベントだから放射能の放出は少ないというのが東電の説明であった。しかし、実際には1号機のメルトダウンは当日の18時50分ごろはじまり、今日の番組ではウエットベントの効果も小さかったという。


  こうした事実を知れば知るほど、もっと大きな被害につながりかねない危機的状況であったことを改めて思い知らされる。

  

  私は事故発生の翌日早朝、福島第一原発に行き、吉田所長から現場の状況を聞いた。東電本店や原発事故に対応するべき官僚組織から現状がどうなっているかも、見通しも、対策も説明や提案がない中で、原子力対策本部の本部長として最終判断を行うには現場の責任者から話を聞くしかないと考えたからだ。


  その後の検証では私が訪れた時点で1号機はすでにメルトダウンからメルトスルーを起こしていたことが分かっているが、その時点ではそうした報告はどこからもなく、福島第一の現場では、格納容器の圧力上昇による爆発を防ぐため、ベントに実施に必死で取り組んでいた。現場を訪れ、責任者の吉田所長から話を聞けたことはその後色々な問題を判断するうえで大変役立った。


 

 3月17日の午後、成田を立って原発政策に関する欧州視察の出かける。ドイツ、ポーランド、フィンランドと回る予定。


  ドイツでは連邦議会の環境委員会から招致を受けており、福島原発事故について話すことになっている。またクレッチェマン上院議長など緑の党の幹部とも意見交換をする予定。


  ポーランドでは原発建設に反対しているグループから呼ばれている。フィンランドでは使用済み核燃料の最終処分施設として建設中のオンカロを視察する予定。


  世界から原発をなくするために頑張りたい。