【この程度でちょうどいい】
メルマガ「人の心に灯をともす」より
篠田桃紅氏の心に響く言葉より…
ほどほどに、まあ、八十代の平均寿命をまっとうして、
なるべく病気をせず丈夫で、お金もほどほどにあり、
人に迷惑をかけない。
そういう人生がいいだろうと、
非常に常識的な一つの典型をつくることはできます。
しかしそれが人間のほんとうの幸福かというと、
その人が幸福と思えば幸福ですが、ああつまらない、
退屈な人生と思えば退屈です。
私も長く生きてきて、いろんな人に出会い、
いろんな人の人生を見たり聞いたりしてきましたが、
どういう人の人生が一番幸福だったのか、いくら考えてもわかりません。
たとえば、あの人は素敵な人だったと思うけれども、
その人の妻はどうだったかというと、
苦労させられたのかもしれないと思いますし、
この人は立派で尊敬できる人だったけれど、
その人の子どもはどうだったかというと、
親と比較されて悩んだ様子でしたし、
いいことずくめの人は見つかりません。
一つ得れば、一つ失うことは覚悟しなさい、
ということなのでしょうか。
なにもかもが満足な人生はありえないようです。
一方で、豊かになれば人は幸せになれると、
人類共通して思ってきましたが、それもまた違ったようです。
私もずいぶん裕福な人を見てきましたが、わけがわからなくなります。
どのように生きたら幸福なのか、「黄金の法則」はないのでしょうか。
自分の心が決める以外に、方法はないと思います。
この程度で私はちょうどいい、
と自分の心が思えることが一番いいと思います。
ちょうどいいと思える程度は、百人いたら百人違います。
私はまだ足りなと思う人は、いくらあっても足りません。
そういう人はいくら富を手にしても、お金持ちになった甲斐はありません。
愛情を充分に与えられても、愛されていると自覚しません。
まだまだ足りないと思っているのですから。
これくらいが自分の人生にちょうどよかったかもしれないと、
満足することのできる人が、幸せになれるのだろうと思います。
「幸福になれるかは、この程度でちょうどいい、
と思えるかどうかにある」……
いいことずくめの人はいない、一生もない……
『103歳になってわかったこと 人生は一人でも面白い』幻冬舎
篠田桃紅(しのだ・とうこう)氏は、
世界で最も尊敬される現役美術家と言われている。
1913年に生まれ、現在103歳。
墨を用いた抽象表現主義者として、世界的に広く知られ、
今も第一線で制作している。
「吾(われ)唯(ただ)足(た)るを知る」、
と彫られた京都の龍安寺のつくばいは有名だ。
「足るを知る」とは、満足することを知ること。
他人と比較すれば、嫉妬や不平不満が生じ、もっともっと、と欲しくなる。
幸せな人は、今ある幸せに気付ける人。
今あるあたりまえの日常に感謝できる人。
仕事ができてありがたい、健康でありがたい、
生きていてありがたい、と。
すべてのことは、その人にとって、ちょうどいいことが起こる。
ちょうどいい仕事だし、ちょうどいい夫(妻)だし、ちょうどいい人生。
足るを知る人で。
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秋のサクラは美しかった
好きな白いコスモスも同じようにがんばって咲いていた
ハチのお仕事を撮影しようとしたけど
飛んでいったしまったぁ~