まだ若犬の頃、赤ちゃんを妊娠したまま、捨てられたコロ。
公園をウロウロ、トボトボ・・・・。
道行く人は、誰も助けてくれません。
そんなとき、ホームレスのお父さんだけがコロを助けてくれました。
河川敷の藪の中にある、お父さんの小屋でコロは子犬を産みました。
そんな状況に愛さん(施設の代表)が引き取りを申し出ましたが、
ホームレスのお父さんはこう言いました。
「俺が生きてる間は、犬たちを面倒みます。
もし俺が飼いきれなくなったら、その時は助けてください」
それから、約15年。ホームレスのお父さんは毎日、毎日、夜が明ける前から空き缶を集め、
それを売ってコロと里子に行けなかった息子のクロのご飯を買い続けていたのです。
お金がないときは、1つのお弁当を犬たちと分け合って食べていました。
廃材やブルーシートで作った粗末な小屋ですが、犬たちの器だけはピカピカでした。。
ある日ホームレスのお父さんから愛さんに連絡が。
「末期ガンです。すみません。犬たちをお願いします」
愛さんは15年前の約束を守り、すぐに犬たちを迎えにいきました。
その後、お父さんが亡くなり、犬たちも今の施設に移動します。
しばらくして息子クロも亡くなりましたが、コロは大きな腫瘍を抱えながら、
大好きな新しいお父さん愛さんとの施設での生活をとても喜んでいました。
大好きな犬小屋も一人占め
さらに、今まで食べたことがないような高級なご飯やおやつ
ふかふかシーツも皆さんからたくさんいただきました。
優しくて控えめなころは、いつも我欲が強い猫たちの後ろで、
私たちをじっと見つめる生活です。
2度目の腫瘍摘出手術は予後が悪く、ずいぶんと痛がり、苦しんだので、
もう腫瘍が大きくなっても手術はできません。
20歳の体が傷口を治せなくなっているのです。
そして、腫瘍は瞬く間に大きくなり、火山の噴火?のようにあちこちで自壊。
それでも1日2回の消毒でしのいでいましたが、突然、痛がって叫び始めて・・・・・・。
我慢強いころが叫んで、叫んで、痛がって・・・。
緩和法がない。治せない。痛みが激しく止められない。
私の愛犬・しゃもんのブラックジャックが言った安楽死の3つの定義です。
コロの安楽死は予想していたので迷いませんでした。
いつもは猫にまみれていますが、私も愛さんも犬派です。
コロは愛さんが大事に大事に慈しんでいた、おばぁちゃんわんこ。
眠ったまま起きない逝き方を・・・・。
やっと、やっと長い闘病生活からの解放です。
コロ、もう思いきり腫瘍のとこを掻けるよ。
痛がゆかったのに、かけなかったもんね。
辛かったよね。
うざったいエリザベスカラーも、包帯も、保護Tシャツも、やっと脱げたね。
みなさんのお陰で、十二分な治療を受けることができ、美味しいご飯やおやつ、
をたくさん、たくさんいただきました。
欲もあり、穏やかに過ごすことができました。
とてもいい人生でした。コロも虹の橋組です。
ころにご支援くださり、本当にありがとうございました。
今頃、ホームレスのお父さんとボケる前の息子・クロと、再会していることでしょう。
コロの幸せな晩年をありがとうございました。
優しいころ母さんとみなさんのご支援に 合掌
妙玄
コミックス「ぺっとの声が聞こえたら」に
コロ・クロの物語があります。ぜひ!ご一読くださいね