ボランティア2日目、
あるお母さんが
「子供の物を探してるんですけど、
○○という名前のもの無いですか・・?」
と、私に話しかけてきた。
聞き取れるかどうかのか細い声で、
目にはクマがくっきりあって。
明らかに疲れきって弱々しいその人を見て、
『娘さんが亡くなってしまったのかな、
なかなか眠れないのかな』
と、どうしても憶測が止まらなかった。
結局見つからず展示場を出て行く
お母さんの後姿を見ながら、
1人で勝手に落ち込んだ。
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その夜、
仙台に行く機会があった。
仙台に降り立ってびっくりした。
ビルとネオンと、おしゃれをして楽しそうにしている若者たち。
拾得物展示場と
全然違う世界で。
私は、あるおじさんの言葉を思い出していた。
そのおじさんは、私の歓迎会でみんなで飲んでいた時
近くの席に座った人で、
色々と地震と津波のことを話してくれたのだ。
「津波が来たところからほんの数百メートル市内に行くと
ほとんど何も変わってない。
手続きやら何やらで行き来していると
『すぐそこなのになんでこんなに違うんだ。。』
って頭がおかしくなる。」
おじさんの言葉と共に、
あのお母さんの顔が頭にこびりついて離れない。
目の前の光景とお母さんが全然リンクしない。
私が、頭がおかしくなってしまいそう。
ボランティアを初めて2日目。
すっかり、心が折れた。