野人は正式な平泳ぎが出来ない。
今は何とか出来るようになったが足に力が入らずちっとも進まない。
中学高校と水泳選手だったが、平泳ぎとバタフライは出来なかった。
プールのない中学の水泳部監督がカナヅチで泳法など習ったことがないから当然だろう。
しかし誰でも泳げた平泳ぎがたった一人だけ出来なかった。
最初に出た試合で滅法速かったのだが、失格になったのは「あおり足」のせいだった。
先生は平泳ぎをやらせたかったようだが仕方なく自由形転向を命じられた。
何故、皆と違って出来なかったか、それは海で泳ぎを覚えたからだ。
動悸は砂浜の海水浴ではなく岩場でエサ・・を捕る為だ。
泳ぐのは手段であり目的ではなかった。
水泳同様、武術もジャングルで生き残る為に身につけたのであり心身の鍛練ではない。
平泳ぎでは波に向かって泳ぐには無理があり、自然に「横泳ぎ」になってしまったのだ。
自由形の呼吸の要領で左側で呼吸、そのままの態勢だから右側が水に沈む。
左足は平泳ぎのカエル足で、右足は自由形のようなバタ足、つまり両足をはさむように交差させて泳いでいた。
ピッチはスローだが、お友達の龍から学んだ独特の全身がうねるような横泳ぎは水上水中を問わず非常に速く伸びがある。
おそらく水中速力と動きの素早さは誰にも負けることはないだろう。
この水技に武術を合わせて自らの武術を「水流」と呼んでいた。
足ヒレのない子供時代、潜水もこの泳ぎで、中一では10m以上一気に潜っていた。
そのまま技を磨けばスピードは北島康介選手を超えていたかもしれんな・・・
名付けてドラゴン・ブレスト!
何故水泳競技には実用的な「横泳ぎ」と言う種目がないのか理解出来ない。
平泳ぎとバタフライは実戦には向いていないスポーツの分野だな。
実戦的な横泳ぎ、スピードのクロール、楽に水に浮いていられるバック、これだけあれば自然界では困らない。
水流護身術に潜水術と狩猟術を加えた「ウォーターワールド・ムー理論」でもそのうち書くか・・プールはもういい・・飽きた・・いわてあおもりけん・・
川でも海でも、波の正面に口を向けなければ水をがっぽり飲むこともない。
これが荒海や激流を乗り切る理想的な泳法であり野人の実践から出た答えだ。
波高も海に比べたら川はたいしたことはない。
しかし水は冷たく、浮力も海ほどない。
水上に障害物が見えなければその間はクロールでも構わないからスピードを上げる。
普通に呼吸するのではなく、素早く息を吐いてすぐに吸い、常に肺に空気を溜めておけば浮力は大きくなる。
陸でやって見ればわかるが難しいものでもない。
あのね・・ 昔むかし あるところに・・
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わかったかい ?
今日は久しぶりに出航 何も船長・・