子供が野菜を嫌う理由 8 歯 | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは

歯は食べる手段であり道具のようなもの、だから人の歯は何でも受け入れる万能ナイフという言葉を使った。

門歯、犬歯、臼歯の比率はまあ食材を選ぶ目安程度で良く、比率が理想的というわけでもない。

環境、食材、天候の異変に応じて使い分ける為のものだ。

肉を裂く犬歯は4本で十分事は足り、臼歯はナッツ類やその他の硬いものを砕くものだから犬歯のように一対では事足りないが、肉より木の実を多く食べたと言うことでもない。

現代人も今の歯並びで肉をいくら食べても何の不自由もしないはずだ。

それはすべての食べ物にも当てはまる。

門歯は草用と言うよりも、それもあるがベリー類やイモ類、柔らかい魚介類、草の実である穀物などをしごくのにも便利、まあ何でも食う為の万能包丁と考えたほうが無理がない。

人の歯は動物の中で最もバランスがとれ、物理的にも最高の形を成している。

サメはスペアでいくらでも歯の入れ替えが効く。

野人の犬歯はどんな太い釣り用ハリスでもプツリと切るほど4本で事は足りている。

入れ替えも入れ歯もきかない腸は、食べ物を体に吸収する最も大切なものであり、その体が本来は何を受け入れるべきかをはっきりと示している。

大まかに粉砕する歯と吸収する腸では役割の重みが異なるのだ。

獲物をとって体内へ運ぶ道具のような歯を「手段」とすれば、腸は「目的」に当たる。

人は歯はなくともタンパク質を手でちぎるか石で潰して丸飲みすれば生きて行ける。

体は本来肉を受け入れるものだが、木の実でも葉っぱでも何でも食べて生きなさいねと言うことだ。

後は体の機能が順応してくれる。

生き物の仕組みは完全であり神業のようなものだ。


蛇の歯は粉砕ではなく仕留める為にのみ使い、丸呑みして溶かす。

肉食獣の犬歯の目的は、エサを仕留めることの他に、エサ場を巡る縄張り争いの戦いの武器としても使われるもので、生き残る為にはそれも必要。

人間も手や武器を使って未だに世界中で縄張り争いをしている。

マグロやブリやスズキなどは歯もなく、大きな口を開けてエサを丸呑みだ。

オオカミやライオンやティラノザウルスのような肉食獣は、最初から木の実などの雑食は除外、口が開きやすく前に突き出た形になった。

手も武器も自由に使える人間は仕留める武器として犬歯を使う必要もなかった。

人は肉や魚などのタンパク質は、犬や蛇のように丸飲みしてもかまわない。

だから早食いの野人はあまり噛むことはないが胃は昔から至って丈夫だ。

幼児期から「よく噛んで食べなさい!」と耳にタコ壺がぶらさがるほど言われたが守ったことなどない。

本能が・・「噛まずとも良い子」と言っていたからそれに従い呑みこんだ。

牛乳も・・噛むようにして飲みなさいと言うのだがどうやってあんなもの噛むんだ。

人間の「噛む噛む常識」は度が過ぎている、いつか野人は常識を変える。

肉食の生き物でいつまでも噛み続けるのは人間だけだ。

あまりの美味しさに長く余韻を味わいたい食材なら仕方がないが。

さっさと・・メシ・・食わんか・・と言いたくもなる。

ダイエットしたいなら丸呑みしたほうがいい(笑)

ただしキャベツなどの葉っぱは・・

「カメカメハ・・」と本能が言うので従った。

今にして思えば理に適っているな。


続く・・