海から生まれた野人農法 2 | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは


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健康とは何か、一言で言うのは簡単だが、それを維持するには人知が未だ到達出来ないほど気の遠くなる仕組みがある。植物も同じなのだ。いまだわかっていないことのほうが多い。だから野人はわかるはずのない生命は作らない。この考え方がこの農法の根本にある。

科学で解明したと思うのは人間の思い上がりだろう。だから今も病害、虫害、連作障害など迷走しているものは数えきれない。それらの大量の薬剤や肥料が大地や海を蝕んでいるのは誰もが知っている。そしてさらにそれに対処する研究を進めるのは愚かなことだ。

野人は海に生きているから年々危機を持っている。死に絶えた海底を見るたびに悲しい。

工場排水に規制がかかった今、海を蝕むものは家庭排水と農業なのだ。グレートバリヤリーフの珊瑚も化学肥料が原因で壊滅しつつある。だから「さらば入浴剤」も書いた。

環境を整えれば植物は自力で育つ。その育ち方に文句はつけない。立派か貧相か、色が、形が、などは人が植物を加工商品と見て評価、そのような常識を作ってしまったからだ。

魚介類は小さくても大きくても、色や形が変わっていても美味しくいただく。それは命をいただくうえで当たり前のことだ。そうして地球上の生き物は生存してきた。

美味しい加工食品はいくらでも溢れているが、野人は「命」にまでそれを持ち込むつもりはない。

魚が水に住むように植物である野菜は大地だ。大地を知り、循環の仕組みを知れば余計なことをしなくても植物は健康に育つ。人が一番求めているのは味覚もさることながら健康ではないだろうか。病気になれば美味しいものすら食べられなくなるのだ。だから健康の為に野菜を食べる人は多い。

人は成分や残留農薬ばかり注目するが、何故野菜の本質を学ぼうとしないのだろうか。