海から生まれた野人農法 1 | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは

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海と森のハンターの野人は農業に関しては素人だ。野菜はあまり好きではないし、畑をやりたいとも思わなかった。まあシャチやライオンが海藻や草を食べないのと同じだ。

それがこうして農法講習をやっている。農園を作る前に本2冊分に及ぶ理論を書き、綿密な設計図を作り、施工に時間をかけて1反の畑が完成した。野人は野菜など作ったことは無いし今も作っていない。だから思考錯誤しながら何十年も苦労して見出した技法ではなく、作ることに関しては皆さんのほうが詳しい。

しかしこの農園には野人が子供の頃から何十年も自然界で学んできた全てが詰まっている。

海に生まれ育ち、森と川を駆け、最後に到達したのが畑であり野菜だ。

健全な大地を形成するのは人ではなく草木であり、それに微生物と虫と鳥などが加わる。壮大な食物連鎖の中で動植物はしのぎを削る。自然に一時も同じ状態は無く、植物も攻防が繰り返されている。その中から漁夫の利を得る、つまり知恵を使って「いいとこ採り」をするのがこの農法だ。そのほとんどは草を知ることに尽きる。草を知り、草を活かすことは難しくはないが時間はかかる。

2に続く・・