猪が泳ぐ 「いのかき」で | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは

今朝のニュースでやっていたが、猪が高松から小豆島までの7キロを泳いでいたのを巡視船が発見したらしい。猪は「いのかき」が上手だ。猪だけでなく鹿だって狸だって泳いで海を渡る。「しかかき」「たぬかき」も似たようなものだ。生きる為に新天地を求めて泳ぐのだ。野人は屋久島で海を泳ぐ鹿を見た。岬を回り磯へ上がり山を駆け上ったが、陸路のほうが早いのに何を考えていたのだろうか。猪は三重の英虞湾を横断していたが、漁師のタモ網で捕獲され猪鍋にされてしまった。海でも猪は獲れるのだ。狸も泳ぎが上手でたまに目撃する。哺乳類の祖先は魚であり、体を構成するのも海の成分だ。だから海で泳げて当たり前なのだ。ほとんどの動物は水浴びをする。空を飛ぶ鳥さえも。飲むだけでなくたまに体を洗わないと死んでしまうからだ。猫科の動物は体が柔らかく全身を舐める事で事足りている。彼らは誰からも教えられるわけでもなく本能でそれをやっている。

動物の皮膚と水の関係を歴史をさかのぼって見直すのは必要な事。そうすれば生き物の本質が見えてくる。「水浴び」と言う生きる為に必要な営みに「余計」なものを持ち込むのは人間だけなのだ。慣習は本質とは何の関係もなく、常識は人間だけのエゴだ。メディアに洗脳されるのも情けない。それが何を招くのか自分の頭で判断すべきだろう。自分だけでなく地球上の全ての生き物に迷惑をかけていることは間違いない。自分達に出来る身近な「エコ」を口にするならそれが先決ではないのだろうか。世の中、足元の視点がズレているような気がしてならない。色んな活動をやるのではなく、「やらない」ことのほうが大切。人間が余計な事をやりすぎたから環境を取り戻そうと「エコ」と言う言葉が生まれた。そんな言葉は元々なくて何億年も当たり前の事だったはずだが・・・・