芳香!レモンの葉ーブティー | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは



紅茶に入れているのはレモンの生葉だ。この芳香がたまらなく素晴らしい。厳密に言うと通常のレモンティとは異なる。レモンの輪切りを入れると香りと同時に酸味も加わり紅茶の色が薄くなるが、この葉は紅茶の色が変わらないのだ。酸味もなく紅茶の風味が生きて、かつレモンの芳香だけが加わる。芳香はレモンよりも強く、誰もが感激する優れものだ。

柑橘類の葉の香りはおよそ50種近く香りを確かめたが、どれも似たようなもので良い香りはしない。唯一レモンだけがずば抜けていてレモンそのものの香りだ。むしろ香りは果実よりも強く、レモンにプラスアルファの「芳香」が加わっている。知人の植物学者とスタッフの女性二人に試飲させたら、そりゃあもう大感激だった。乾燥しても使えるだろう。タイのトムヤンクンスープには、レモングラスの他に熱帯のコブミカンの葉が使われる。十数年前に、何故日本には使える柑橘類の葉がないのだろうと素朴な疑問があった。それで片っ端から調べたのだ。シーカーサーも実のような強い香りはなく、ユズもスダチも香りはしなくてどちらかと言えば嫌な臭いだ。ヤマハ時代、農園や遊歩道で植物のガイドをしていた時、よくレモンの葉をちぎって匂いを嗅がせると例外なく驚きと絶賛の声があがった。庭やベランダで育てるならレモンが良い。あまり大きくならなくても実が少なくても葉が年中使えるのだ。ローリエよりも使い道が多く、料理にも使える。そのまま紅茶に一枚入れたら十分だが、さらに強い芳香がよければ揉んで入れると強い香りが出る。野草もそうだが、使えるハーブは身の回りにいくらでもある。次はフレッシュクロモジティーでも作ってみるか。