猿も嫌がる「山帰来」 | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは

棘のある植物は無数にあり、ノイバラなどのバラ科の植物、キイチゴ類、アザミの仲間、猿避けで有刺鉄線の代用?に使われたとされる「サルトリイバラ」なるものもある。何ともリアルで珍妙な名前がつけられたものだ。当然実際に試してみたが猿は嫌がった。猿も痛いのは嫌いらしい。猿が登りそうな果樹に巻きつけておけば効果的だ。
この大きくなった葉は「イバラ餅」を包むのにも使われ、赤い実が付いた枝は生け花にも利用されている。熟した実は果実酒に、若葉は天ぷらで食べられる。根は「バッカツ」と言う生薬名が付く漢方薬で、別名山帰来(サンキライ)とも呼ばれ親しまれている。山帰来の語源は定かではないが、昔、梅毒の重い者は山に捨てられる習慣があり、サルトリイバラの根を煎じて飲んで治って返ってきたところから山帰来と名づけられたと言う記述がある。性病の予防薬と言われるが、医者へかかったほうが良さそうだ。棘のある植物は見ればすぐにわかるからその場で判断、触れないようにすれば良い。