ワラビは椿でアクが抜ける | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは

これから4月になるとワラビ採りの最盛期になる。ワラビやゼンマイはアクが強く、灰汁か重曹でアク抜きしないと食べられない。重曹で茹ですぎると色も悪く、ワラビが溶けてしまうこともある。同じ仲間のクサソテツはコゴミとも呼ばれ、鮮やかな緑でまったくアクはない。さっと茹でるだけで歯ざわりも良く美味しい。これと同じような仕上がりにする簡単な方法がある。何処にでもある「椿」の葉を10枚ほど鍋に入れたワラビの上に乗せてひたひたになるまで熱湯を注ぐ。前夜にやって朝まで放置しておけばアクは抜ける。ワラビは鮮やかな緑になり、そのままポン酢で食べてもシャキシャキして美味いが、煮物にしても煮崩れしなくて重宝する。椿は山にあるヤブツバキでも栽培品種でも構わない。サザンカも同じ仲間だからたぶん大丈夫だろう。植物は知れば知るほど目からウロコ、面白いものがたくさんあり、耳から尾ビレまで飛び出てくる。