坂口安吾ライスカレー事件/ほかり食堂(石神井公園) | 夢酔亭主人のオムライス食日記

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天皇陛下とご皇室の弥栄をお祈りいたします。

 

 

数日前の夕刻。
 

仕事で訪れたのは練馬区の石神井公園。


ちょっと早いけど外も暗いのでこのまま直帰しよう。

 

大衆食堂の「ほかり食堂」さん。


話は突然変わるが・・・


「坂口安吾ライスカレー事件」ってご存知だろうか?


過去の記事に詳しく書いているが簡単に振り返るとこんな事件だ。


時は 昭和26年、伊東競輪でトラブルになり、やくざに追われていたのが「堕落論」で有名な坂口安吾。


石神井公園に住んでいる作家の壇一雄邸に身を潜めていた。


連想ゲームでお馴染みの壇ふみさんのお父さんだが、壇蜜とは関係ない。


居候のくせに何を思ったか、駅前の大衆食堂「ほかり食堂」と「辰巳軒」にライスカレー100人前の出前を頼んだ。


この2つの店は共に昭和14年創業で、この小さな町で80年を過ごしてきた。


驚いた両店主だが、お互いに協力し合い指定の時間に間に合わせた。


次々と届けられるライスカレーを芝生の上にズラリと並べ、十数人の仲間たちと片っ端から食べていったそうだ。


しかし、食べ手は10数人でカレーは100皿なので到底食べきれなかったらしい。

 

店内は昭和の歴史を感じる正統派の大衆食堂。

 

どちらのお店も和洋中幅広いメニューが揃っていて、辰巳軒は洋食と中華がメイン、ほかり食堂は和食と中華が中心。

 

飲み物はこちらの冷蔵ケースから好きなものを飲んで最後に自己申告制で会計というシステム。

 

とりあえずHOTのお米のジュースで温まります。

 

●きんぴらごぼう(200円)


こんな定食屋さんでは冷奴とかきんぴらごぼうとかどこにでもある家庭料理が食べたくなる。

 

ピリッと唐辛子の効いたごぼうと清酒。


どってことないのにホッとする温かさ。


広い店内は店主のワンオペ。


腰は曲がってても元気いっぱいで調理、接客をこなしている。

 

●ポテトサラダ(200円


前回もきんぴらごぼうとポテサラを食べたが、どうしてもこの2品は外せない。
 

缶チューハイ。


さて、そろそろ食事にしましょう。

 

●カレーライス(550円)

 

7年ぶりのご対面。

 

漬物は業務用のようですね。

 

美味い!というより懐かしさが先にくる。


小麦粉とカレー粉を炒めて作る昔ながらのカレーだ。


坂口安吾も食べた昭和のカレーライスが創業から80年の時を経て同じものがここにある。


店も空いていたので2代目店主と会話しながら食べていたが、店主も今年79歳らしい

 

後継者はいないそうだが、願わくば令和の時代にもこの味を継承してほしいものだ。


美味しい食事をいただき感謝をこめて
「ごちそうさま!」

 

【本日の名曲コーナー】

 

 

明治26年公布の文部省唱歌「天長節の歌」


【お店】
・ほかり食堂
・東京都練馬区石神井町3-16-18