「寒い冬はこれを食べて温まろう!」
今回は冷えた体が温まる昼めしを求めてお蕎麦屋さんに向かいます。
蕎麦屋には「種物」と云う温かい蕎麦はあるけど、寒い冬に体の芯から温まるお蕎麦ってあったっけ?
それがひとつだけあるんです。
あまり一般的じゃない蕎麦だが、その名は「かき玉」
第13弾のテーマは『かき玉』
猿楽町にある「浅野屋」さん。
創業は江戸が東京に代わって間もない明治5年。
間口は狭いが奥行きがあり、ゆったりとくつろげる。
目的のかき玉を注文。
お水を飲みながら出来上がりを待つ。
●かき玉(850円)
似たようなそばに「玉子とじ」があるが、最大の違いはかき玉は葛でとろみがついていること。
それではいただきます
七色をパッパッパッ・・・
フーフーしつつお汁をゴクッ!
ああっ!
ごくりと飲み込むと喉からお腹の奥まで熱いマグマに貫かれたような衝撃。
とろみをつけるということは汁に蓋をするのと同じ効果があって熱が逃げない。
アツアツの料理ってだいたい70℃前後で75℃を越えるとかなり熱いのだが、おそらく80℃を越えてるのではないだろうか。
それが持続するのだから恐ろしい。
鰹節が効いた昔ながらの江戸蕎麦の汁に玉子の甘さも加わり何とも美味い。
蕎麦は蕎麦粉10割、小麦粉2割の外二。
100年以上続く技術と伝統の味。
のど越し申し分なし・・・
そう言いたいけど残念ながらあまりに熱すぎて舌が麻痺して感度不足(笑)
あっ、いたんだ!
これが蒲鉾だと
おっ、いたんだ!・・・となる。
すりおろし生姜を溶かして更にポカポカ保温効果。
葱も入れちゃえ!
これで新型コロナウィルスもインフルエンザも打ち負かす温かさ。
お腹もいっぱいで大満足。
かき玉は浅草の「弁天」が日本一だと思っているが、それに負けず劣らずの素晴らしい淺野屋蕎麦に出合えたのもまさに運命。
いつも美味しい食事をいただき感謝をこめて
「ごちそうさま!」
【本日の名曲コーナー】
ベートーベン作曲交響曲第5番「運命」
小澤さんの運命を聴いたのは確か高校生の頃でオケは新日本フィルだった。
小澤さんもまだ若く獅子の如く髪を振り乱して指揮する姿が印象に残っている。
偶然見つけたこの演奏も熱い。
N響が小澤さんを呼ぶのも珍しいが、時が経ちお互いのわだかまりも消え失せたという事か・・・
第一楽章が終って拍手が起こることなんてありえなことなんだが、情熱を込めた演奏はかき玉そばのように熱く引き込まれていく。
【お店】
・淺野屋
・東京都千代田区猿楽町2-7-6