京の冬は蒸し寿司でおますな / 乙羽(京都河原町) | 夢酔亭主人のオムライス食日記

夢酔亭主人のオムライス食日記

上野、浅草など下町中心にオムライスや美味しいランチの食日記。

出張の夜の楽しみはやはりご当地グルメ。


BAR「K家」さんで幸せなひと時を過ごし外に出てみたがやはり寒い。


それにお腹もペコちゃんだ。


なにせランチは大阪の新今宮だったので、もう少し京の風を楽しみたい。


アーケードの新京極商店街を歩いているとせいろから吹き上る湯気に足が止まった。


寿し屋の「乙羽」さん。


これはいったいなんだ?


訊けば京都名物「蒸し寿司」らしい。


「蒸し寿司」って長崎の郷土料理でもあるけど同じものなのかな?


引き戸を引きくと丸刈りの丁稚さんみたいな若者の「おいでやす」。


店内は漬け台はなくテーブル席のみ。


やはり東京の鮨屋とは空気が全く違う。


蒸し寿司とおまかせで京都らしいお鮨をちょっと欲しいと伝える。


「京都らしいお鮨はにぎりではなく箱寿司や鯖寿司になりますがよろしおますか?」


いいとも!


おちゃもいいけどおちゃけもね。


熱めにお願いした大関の熱燗。


帽子を被った正装姿で登場。


ふたを開ける時も楽しいひと時。


●蒸し寿司+おまかせ(1,400円+500円)


蒸し立てのアツアツ。


これでお寿司なのだから驚くほかない。


蒸し寿司があるので少しでいいとお願いしていたので3貫盛り。


確かににぎり鮨はない。


それではいただきます割り箸


お酒も温まるけど、お吸い物もじんわりと温まる。


穴子の押し寿司。


煮詰めが美味しい。


太巻き。


素朴ながらいい仕事してはりますな。


鯖寿司。


肉厚の鯖は昆布に巻かれて旨味もイキイキ。


昆布は外して食べるものと云われているけど私は一緒に食べちゃう。


甘めの酢めしとも相性バッチリ。


さて、お目当ての蒸し寿司。


表面を覆い尽くす錦糸玉子の下には煮穴子や椎茸などがびっしり。


温かいお寿司じゃく熱いお寿司。


冬はこれでいい。


いや、これがいい。


寒い京都の先人たちが考え出した料理なんだろうね。


訊けば蒸し寿司を作るお鮨屋さんは京都でも5~6軒だけになってしまったそうだ。


この伝統料理を次世代にも継承してほしいものだ。


美味しい料理に感謝を込めて
「ごちそうさま!」


【お店】 
・乙羽
・京都府京都市中京区新京極通四条上ル中之町565