大正7年、日本で初めてのカツ丼が早稲田の「三朝庵」で誕生した。
これまでブログでも何回も書いてきたが、実はもっと古いかつ丼があることが分かった。
時は「三朝庵」のカツ丼が誕生した5年前の大正2年。
処は三朝庵と同じく早稲田にあった洋食店「ヨーロッパ軒」。
高富増太郎という料理人がドイツ修行で学んだシュニッツェル(カツレツ)をウスターソースに浸け丼に仕立てたもので現在のソースかつ丼だ。
つまりカツレツをソースに浸けてごはんの上に乗せたのが「ヨーロッパ軒」のカツ丼で、玉子でとじるカツ丼の元祖は「三朝庵」ということになる。
その洋食店は関東大震災で被災し、故郷の福井県に帰られたそうだ。
それで今でも福井県でかつ丼といえばソースかつ丼の事を指すのかと一人ガッテン!
早稲田鶴巻町の「秦す庵」さん。
元祖かつ丼をオマージュして100年ぶりに故郷早稲田に復活させたお店だ。
カウンターのみのお店は清潔感に溢れ若き店主の接客も気持ちがいい。
ワセカツ丼を注文。
お茶と共に出てきたのは梅干し。
きちんと種は取り除いてあって、この心づかいは嬉しい。
「Dancyu」を始めこの店の記事の料理本やグルメ本を読みながら出来上がりを待つ。
きちんと帽子を被った正装で登場。
威儀を正してふたを開ける。
●ワセカツ丼(980円)
厚カツ2枚、薄カツ3枚のボリューム。
ごはんは大、中、小で選べるがこれは中。
それではいただきます
福井を代表する味噌蔵の一つで永平寺御用達「米五のみそ」を使った味噌汁。
キャベツは千切りではなく味噌汁の具として使うのか。
長期熟成の味噌はキャベツの甘味が引き立てたれ何とも美味い。
漬物とデザートのリンゴが同居。
たかが一口の果物だけど、こんな小さな心遣いがお客の心を打つんだよね。
北海道産のブランド豚「夢の大地」を使った衣はサクッ、肉はジュワッの柔らかいカツ。
「旬香亭」の古賀シェフが開発したというソースはかなり甘めだ。
このソースに潜らせたっぷりと染みたソースと福井県産のコシヒカリのごはんは相性バッチリ。
別容器で出されるからしソースも試してみよう。
これは更に美味い!
甘めのソースにピリッと辛いソースが加わりキリリと引き締まった味に変わる。
薄カツはごはんも巻ける。
とんかつでごはんを巻く食べ方は初めてだけど、これもいけるぞ!
中でもお腹もいっぱいで大満足。
美味しい食事に感謝をこめて
「ごちそうさま!」
【お店】
・奏す庵
・東京都新宿区早稲田鶴巻町555-19 鶴屋ビル1F
・http://www.sauce-un.jp/