理想の蕎麦屋ってなんだろう?
一口に蕎麦屋と言っても江戸時代から続く老舗からニューウエーブ系のお店まで幅広い。
繰り返し書いているが、「老舗」の看板に胡坐をかくお店なんて何の価値もないし、新しくても情熱を持って頑張っている蕎麦屋の方がより好感が持てる。
先日訪問したのは三鷹。
中央線で三鷹駅まで行き、更に十数分バスに揺られて到着したのはこのお店。
昭和47年創業という40年以上の歴史がある増田屋さん。
今回初訪問だ。
ショーケースでは「つばくろう」も出迎えてくれる。
玄関ばかりか、店内にもたくさんの花。
何度も言うが、こういうお店はハズレは絶対ないと断言できる。
充実した蕎麦前のお酒と肴。
八海山というお米のジュースはHOTでいただく。
いきなり、度肝を抜かれたのがお通し。
お通しなんて手を抜くお店が多くてガッカリする事も多いが、お皿の上にはお客を喜ばせようという気持ちが溢れているじゃないか!
しかも、お通し代なんてこの内容でたったの200円だよ。
●蕎麦屋の玉子焼きハーフ(400円)
一人なのでハーフサイズはありがたいが、これを1人前として出すお店も少なくない。
日本料理店でも鮨屋でもない蕎麦屋の玉子焼き。
ふんわり焼き上がって、甘辛い味付けが嬉しい。
●そば屋の焼き鳥(600円)
浅草の「やげんぼり」、京都の「七味家本舗」と並ぶ日本3大七味のひとつ、善光寺の「八幡屋礒五郎」
鶏の柔らかさとかえしが効いたタレの相性はバッチリ!
これじゃあ、お米のジュースが足りないよ~。
という訳で、「獺祭」
山口県の銘酒として名高いが入手困難な事でも有名。
どうだといわんばかりにズラリと並ぶ「獺祭」は見ているだけでも壮観。
しかし、美味い酒だね~。
●天ぷら盛合せ(800円)
メニューにはなかったが、ご主人にムリに頼んで「天ぬき」にしてもらった。
玉子焼きも、焼鳥と同じく、この豪快な盛りは嬉しいね~。
10種類の種がお皿からはみ出しそうな豪快な天ぷら。
黄金色に輝く揚げたての天ぷらも文句なしだが、汁の旨さは感動的。
ボリュームたっぷりの蕎麦前でお腹もパンパンでギブアップ寸前。
だが、蕎麦を食べないで帰る訳にはいかない。
何せ、蕎麦鑑定士のいるこのお店のこだわりは、生産農家から直接蕎麦の実を仕入れ、『挽きたて』『打ちたて』『茹でたて』の3たての蕎麦だ。
ありがたい事に〆の半せいろ蕎麦があったので注文。
●〆の半せいろ蕎麦(400円)
半せいろとはいっても、浅草の某老舗蕎麦屋の一人前よりずっと多い。
最初は蕎麦だけ食べてみるが、コシが強くて風味も十分。
蕎麦も美味いがつゆの旨さは格別。
感動で手が震えているのが分かるだろうか?(笑)
玉子焼きでも、焼鳥でも、天ぬきの汁でも感じだんだが、深いコクと味わいがありながら後味がいい絶品のつゆ。
よほどいい鰹節を使わないとできないし、煮だす時間も相当長いんじゃないだろうか?
蕎麦屋の技術は蕎麦を打つ事よりも、つゆを作る方がはるかに難しい。
もうお腹もいっぱいで井の中には隙間はないんだが、蕎麦湯は別。
葱とわさびを浮かべズズズ・・・
ため息が漏れそうなくらい幸せを感じるひと時だ。
よく飲んで、食べて、おしゃべりして、楽しい時間が過ごせた。
私が最も通っている浅草の弁天とも共通するが、近所に欲しくなるお店なんだよね。
サンダル履きでふらっと入れて、笑顔あふれるサービスと、とびっきり美味しい料理。
近所の人はもちろん、遠くても電車代をかけても一度は行ってごらん。
理想の蕎麦屋ってこんな店なんだってしみじみ実感できると思うよ。
美味しい食事をいただき感謝をこめて
「ごちそうさま!」
【お店】 ★★
・増田屋
・東京都三鷹市下連雀9-11-8
・http://www.anatanosobani.com/
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