朝河貫一のことば | 政治と憲法つれづれ草 by リリー

政治と憲法つれづれ草 by リリー

つれづれなるままにリリーも憲法について語ってみんとてするなり。

「日本人が今までになかった惨禍(先の戦争)を招いたのは、日本人の常習となっている妥協や盲従によるものでした。もし日本人が偉大な民族になろうとすれば、結果にかかわりなく、国に対してであれ、誰に対してであれ、自らの堅い信念に基づいて主張しなければならない」(孫崎享著『日米開戦の正体』(2015)p462)。

負ける戦争に突入して行った原因のひとつです。

朝河貫一は歴史学者です。日露戦争後の1909年、著書『日本の禍機』で日米開戦を警告し、その後も一貫して日本の対外姿勢に警告を発し、日米開戦を避けようと尽力しました。でも、真珠湾攻撃は避けられませんでした。

今の日本の空気はあの戦前によく似ています。私たちは過去に学ぶことができます。主張すべきは主張する、おかしいことをおかしいと言う。普通のことだと思います。

日本学術会議の任命拒否をはじめ、納得のできない問題がいろいろあります。妥協や盲従は、またあの時代を引き寄せることになるのではないか。私もそんな不安を抱くひとりです。