融けゆく南極氷床
南極の氷も融解が加速しているらしい、ということを前に書きました が、実際、巨大氷山が南極から分離するというできごとが近年多く見られます。
ナショナルジオグラフィックの記事 によると、B9Bという、佐賀県よりやや大きいくらいの面積の氷山が、約1ヵ月後にはメルツ氷河の氷舌(氷河が海岸線から突き出した部分)に衝突し、この氷舌を破壊することになる、とのことです。
記事の写真は1月7日のものですが、2月20日の写真と並べて掲載します。衝突の様子がよく分かります。
(science daily
より)
B9B自体はずいぶん前に氷山として大陸から切り離されていますし、氷舌もすでに海面に浮いている部分なので、これによって即、海面上昇するようなことはありません。
しかし、ラーセンB棚氷 の崩壊(2002年、鳥取県と同じくらいの面積)、ウィルキンス棚氷 の崩壊(2008年に崩壊開始、近いうちに四国の3分の2ほどの氷が消失する)など、氷床の融解加速を示唆する事例があります。パイン島氷河消失の見込み、という記事も以前紹介しました 。
海の氷は、南極大陸から南極海に流れ込む氷河を押し留める「栓」の役割を果たしています。栓が失われることで、南極氷床の流出の危険性は増します。
2010.03.08追記
NASAのページに特集が出ていました。下のリンク先ページが見やすいです。