「その男、YAZAWA」 5 生き方の知恵を若い人たちに伝えたかった | 矢沢永吉激論ブログ

矢沢永吉激論ブログ

全国矢沢永吉激論学會集団。

この人に聞くYAZAWA プロジェクトZ 挑戦者たち


新進気鋭の若手コピーライター、糸井重里 」に戻る



「その頃、会社に、

『矢沢永吉激論集』

と書いて企画書を出したんです。


当時のミュージシャンの本は
ゴーストライターを立てたものばかりだったけど、
すごくカッコ悪かった。
ゴースト仕立てにはしたくなかった。

激論集というスタイルにしたのも、
あとがきを糸井さんに書いてもらったのも、
そうしたくなかったからです」


会社からハンコをもらって本ができる目処がついた。
いよいよ本のタイトルを決めなくてはならない。


そのとき、糸井が言った。
「『成りあがり』って言葉、面白い」

島本の体に電撃が走った。
それは矢沢がインタビュー中に発した言葉であった。

〈成りあがり。大好きだね、この言葉。素晴らしいじゃないか〉
そう矢沢が語った部分を、
島本は本の冒頭に持ってくることにした。

かくして'78年7月15日、
島本にとって初の単行本
「矢沢永吉激論集 成りあがり」は発売された。
島本は語る。

「この本を通して、
生き方の知恵を若い人たちに伝えたかった。
成りあがりと言われようと這い上がっていく知恵を。

本ってそもそもそういう役割じゃないですか。
僕は機能する本を作りたかった」


父にとっての松下幸丁之助。
若者にとっての矢沢永吉。


発売後、
「成りあがり」は10D万部を超えるベストセラーとなり、
これからの時代で生き方を模索する
あらゆる若者のポケットに収まった。
そして、今なお、
28歳の矢沢は読者に向かって唾をまき散らしている。

一回目、散々な目に遭う。
二回目、落としまえをつける。
三回目、余裕。




矢沢永吉