矢沢永吉 60歳のロックンロール宣言_4 | 矢沢永吉激論ブログ

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矢沢さんはよく「新しい扉を開く」

という言葉をお使いになりますけど、
矢沢さん的には今回はまったく新しい扉というわけではなくて、
扉の開き方を変えるというか…。


矢沢 僕はね、新しい扉を開けるんだ、
開けるんだって、テメエがひとりでよがって、
テメエで開けてんの、一生懸命。
これ、わかります?
そんなあなた、ロケット飛ばした博士じゃねえんだからき、
「いや、新しいか何かわかんないけど、喜ばせてよ、先に」
というのが最初だから、
僕ら作り手が新しい扉を開けるっていっても、
そんなにリキんでないんだよ、リスナーは
「もっと普通でいいから泣かせて」って言ってるわけ。
僕ら作り手が新しい扉を開けるって、
えらいリキが入っちゃってるわけよ。

つまり、作り手としての要求としてはそうなっちゃうわけですね。


矢沢 リキ入っちゃう。だから僕は今ね、
もうちょっとやっぱり軽いステップでね、
新しい扉を開けるっていうんじゃなくて、
まずは直球で楽しんでもらおうかというサウンドを出すことが
新しい扉なのよ。

これからはギンギンの中に枯れ具合の色気を持ちたい

-ここ数年の矢沢さんの活動を振り返ってみると、
従来のライブに加え、バラード曲などを中心とした
「YAZAWA CLASSIC」を2回やられて、
それと従来のライブを融合させた
「ROCK OPERA」にブルーノートへの出演、
フェスへの積極的な参加、ライブハウスツアーと、
表現方法の模索みたいなものが
あったのかなという気もするわけですが。


矢沢、いや、もう楽しんでるんですよ。
「ブルーノート? やっちゃおう」みたいな。
あのね、もう36年やってるんですよ。
36年やってたらね、
模索というところを超えちゃってるね。
もう、楽しんじゃおう。
もちろんリスクもあります。
こける時もあるから。でもね、

「あれ、ちょっまずかったかな」
も含めてやれるって楽しいしいじゃない。
そんな大層なことやってないんだから。
音楽じゃない。
こけてもいいから、
人のやってないこをやってやろうぜということの面白さで、
ハマったら、あなた格好いいじゃない。
第1回目の「クラシック」東京フォーラムの。
あの時なんか僕が一番うれしかった。

といいますと?


矢沢 だって格好よかったじゃん!
オープニングのオーケストラによる
『時間よ止まれ』の段階で鳥肌立ちましたよ!
今までとは違う〝静″の方向性のライブで、
矢沢ライブのもうひとつの完成形だと思いましたね。

でも、ずっと走り続けていらっしやって、
やはり年齢というのが壁としてあると思うんですよ。
ステージの端から端まで走るというのも実際大変だと思いますし、
そこで年齢なりのベストな表現方法として
どういうものがあるのかなというのをずっと考えていらしたのかなと。


矢沢 僕はね、今言われたことがないことはないと思う。
そういう表現の仕方があってもいいし、
またまったく僕が今までやってきたことと違うことで模索している、
両方の意味がありますよね。

 でもね、僕はやっばりあれだな。
この矢沢スタイルみたいな、
マイクスタンドがあってロックを見せるっていうのは、
あと5年歌えるのか、8年歌えるのかわかりませんけど、
できるところまでそれは変えたくないね。
「矢沢さん、いつマイク置く時がきますか?」
ってよく聞かれるのね。
「いや、俺は歌えるまで歌いますから。
僕がどうの世間がどうのは別にしまして、
もういいなと思う時は必ずきますから、
その時は僕は『サンキュー』ってことで
マイクを置くことになるでしょう」と。
それまでは置かないから。

 また「クラシック」をやってくれっていう人もいますし、やりたいし。
だけど、これをやるとしたら条件がありますね。
やっぱり通常の「矢沢でございます」ってライブがあっての
「クラシック」だと思うのね。
「ちょっと体きついから、『クラシック』でよろしく」
っていうのはしたくないと。
だからその証拠に、去年ほライブやめてますけど、

おととしはギンギンでしたからね、ロックでまだ。
 これから60歳です。
このギンギンをやるんだけれども、
ギンギンの中に枯れ具合も大いに出てくる。
見ている人に対して
「枯れ具合の色気って、今の永ちゃんにあるよね」
って言われたらいいね。

 僕ほ実際にインタビューで言ったことがあります。
「これから俺、枯れていくので、
枯れていくざまを見せていきますよ」って。
でも枯れぎまの中に色気が、僕、絶対出せると思うの。
60なりの色気みたいな。
それを出せたらいいな。
それがなくて「ただ枯れていってるだけだね」
って言われたら悔しいな。
枯れていくなかに、
「60にも色気ってあるんだね」って言われたら、
まだ僕はやれるのかなと思うね。


60歳のロックンロール宣言_5に続く