本日ご紹介のお客様は数年前に有名な美容外科医に施術をお受けいただいた方です。
とても綺麗な方でして、もちろんその出来栄えも美しいものだったようです。
題しましては、「L型プロテーゼの合併症」です。
鼻先に白く透けて見える、時折、赤くなるという症状です。
全てのL型プロテーゼ治療された方に起こりうる合併症ではありませんが、世間の美容外科医の知識としてはよく知られているものと認知しています。
ではこのような症状を起こした方にどのような治療があるのでしょうか?
①入れているプロテーゼの抜去
②入れているプロテーゼの加工
③鼻先の薄くなった皮膚を厚くする治療
④鼻先の軟骨の形成手術
などなど、ですが、、
私の考えた治療方法は、②+③+④になりますが、内容は「プロテーゼのL型からI型への形状変更」、「皮膚の薄くなったところに脂肪組織注入+耳の軟骨を使って高さ長さの維持」、「鼻先の軟骨の形状を少し形成し、細く長くみせる」という治療方針をとりました。
術前です。鼻先の白く透けて見えるというのが主症状ですが、触診でプロテーゼを触知します。
術後1週間での経過観察時の画像です。
実際の治療の最中に挿入されていたプロテーゼの被膜の形成は非常に薄いもので、プロテーゼを取り出してみるとその実物は多数の切れ目を入れているのですが、少し劣化を感じさせるものでした。今回手術の最中に内容を新しいプロテーゼ(いわゆるソフトシリコンのI型プロテーゼ)に入れ替えて、さらに鼻先に耳の軟骨組織を移植、さらに目の下の脂肪を使って、皮膚の薄さを保護しながら、それでいて、新しい皮膚組織を再生するべく利用いたしました。
術前の斜位。プロポーションの変化にご注目ください。
術後1週間での画像。少しだけ鼻の高さが上がっています。腫れが引くと、もう少し落ち着いてしまいますが、、
鼻先は少し下向きに上品に下がりました。
軟骨組織に脂肪組織の移植という治療方法でうすくなってしまった皮膚を改善させ、かつ鼻先形状を整えましたという症例の報告でした。
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