今期未達気配で、中計前倒達成は微妙?ユニゾホールディングス(3258)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3258】ユニゾホールディングス(東証1部) ---

現在値 3,135円/100株 PER10.4 PBR1.07 3月配当株主優待 9月配当

東京地盤にオフィスビル賃貸が主力の不動産会社。04年に持株会社化。
配当金は年2回の合計70円のため、配当利回りは2.23%となります。

ユニゾホールディングスは株主優待制度を設けており、3月末の単元株
に対して、3,000円分のUCギフトカードと当社ホテルの割引券を進呈
して
おります。後者を0円で計算した場合の配当優待利回りは3.18%です。


業績は以下の通りとなります。
■2013年3月期 売上高 148億円、経常利益 35億円 EPS 168円
■2014年3月期 売上高 219億円、経常利益 57億円 EPS 186円
■2015年3月期 売上高 276億円、経常利益 73億円 EPS 237円
■2016年3月期 売上高 323億円、経常利益 85億円 EPS 332円
■2017年3月期 売上高 389億円、経常利益 103億円 EPS 295円 ce 
□2016年9月中間 売上高 176億円、経常利益 42億円 EPS 125円 
□2016年12月3Q 売上高 280億円、経常利益 71億円 EPS 207円(1/27)

2016年9月中間期の売上高は前年同期比12.5%増の176億円、経常利益
は同3.1%減
の42億円となり、売上高段階から期初計画を割り込みました。
オフィス事業で新規取得による売上の嵩上げや賃料増額交渉の寄与が
あったものの、空室率は前年同期の3%→4.5%へと大幅に悪化しています。
また、ホテルに事業に関しても当上期に銀座七丁目・八丁堀の新規開業
があったものの、来期の開業費用が先行したため減益となりました。


なお2017年3月期通期の予算は期初予想を据置いており、売上高は20%
増の389億円、経常利益21.2%
増の103億円を予想しております。1月27日
に3Qが開示されており、オフィスは新規稼動と空室率の減少により、中間
時点より数字が改善、ホテルは稼働率・ADRの両方が伸び悩んだことで、
中間時点に引き続き冴えない数字となりましたが、両事業をネットすると
業績進捗率はやや良化した模様です。


今期はローリング後の二次中計である「NEW DIMENSION2017(最終年度
は18年3月期)」で目標の経常利益を101億円としているため、今期の期初
予想達成でもれなく1年前倒での達成となりますが、現状では微妙な情勢
です。当社の場合、Bグレードのオフィスビルが多く賃料・空室率回復の波
に乗り切れていない点や、ホテルADR上昇による(主に)国内客の客離れ、
昨年7月の公募増資のタイミングが悪く、思うように資金調達出来なかった
ことなど、あまり良くないことが重なった印象は受けますが、もしこれだけの
材料を跳ね除けて予想を守った場合は、来期以降は改めて期待出来ます。


特に昨年7月に139億円を調達したこの増資では、@3,705円水準での発行
を余儀なくされたため、(まだ直近公募価格を下回る状況ではあるものの)
結果的に来期また増資出来なくもない水準感となり、外部成長の目が残り
ました。昨年12月にはまたワシントンで174億円の物件取得を発表しており
推定自己資本比率10%強でのイケイケ経営が続きますが、まだ上手く薄氷
を踏み続けている感じですので、注意深く見ていきたいと思います。


*参考記事① 2016-07-15 3730円 ---
公募増資は薄氷の値決め、ユニゾホールディングス(3258)。

*参考記事② 2015-12-21 4,650円 --
マンハッタンで大型物件を取得、ユニゾホールディングス(3258)。

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