前中計は記録的な達成も、今期は早くも正念場・松屋(8237)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【8237】松屋(東証1部) ---

現在値 732円/100株 PER21.2 PBR2.6 2月優待配当 8月配当

呉服店発祥の名門百貨店。銀座本店と浅草店の2店体制。独立路線。
配当金は2月8月の年2回・合計6円で、配当利回りは0.83%となります。

松屋は株主優待制度を実施しており、100株以上の株主に対して、
利用上限のない10%割引可能な買物カードを進呈しております。
また有料催事が2人分まで無料になりますので、入場料1,000円の
催事に2人で年2回行った場合の配当優待利回りは6.28%となります。

業績を確認していきます。  
■2013年2月期 売上高 716億円、経常利益 10.8億円、EPS 11.3円  
■2014年2月期 売上高 754億円、経常利益 15.7億円、EPS 25.2円
■2015年2月期 売上高 816億円、経常利益 22.7億円、EPS 24.6円
■2016年2月期 売上高 929億円、経常利益 28.9億円、EPS 22.4円
■2017年2月期 売上高 950億円、経常利益 27.0億円、EPS 34.0円 ce
□2016年8月中 売上高 460億円、経常利益 11.0億円、EPS 13.2円 ce

2016年2月期通期の売上高は前期比13.8%増の929億円、経常利益は同
27.1%増の28.9億円となり、中間で増額した修正予算に寄せていく形で
2期連続の大増益を達成しました。ここ数年で改装した婦人服フロアが
続伸したほか、本館裏手に免税カウンターを新設したことでインバウンド
をフルに取り込むことに成功しました。

今2017年2月期の売上高は2.2%増の950億円、経常利益は6.6%減の27.0
億円を計画しています(営業利益は増益)。前期に開業したアニエスべー
のフルラインが揃う別館の通期寄与と、昨秋に完了した紳士服売場改装
効果が期待されますが、銀座地区の競争激化とインバウンドの一巡に
より利益は前期並みにとどまる見通しです。

また2019年2月期を最終年度とする新中計も開示されており、3年後に
売上高980億円、営業利益30億円(前期実績26億円)を計画しています。
前中計は予想をはるかに上回る実績の残しましたが、会社側もさすが
にこれ以上強気になることは出来ず、事実上横ばいで見込んでいます。

この3ヵ年で施設に31億円・改装に20億円・システムに9億円の合計60
億円を投じる予定となっております。当社の場合は百貨店店舗は銀座
と浅草の2店舗しかなく、キャパシティに限界もあるため自ずとこういう
集中投資になってしまうのですが、インバウンドに舵を切りすぎると
潮目が変わった時に致命的な打撃を受ける可能性には要注意です。
(むしろ今は投資せずに借金返しておく方が賢明かもしれません)

事実、足元5月の既存店売上は銀座店で88.9%(曜日影響有)と明らかに
陰ってきており、これは殆どインバウンドの減少が原因です。会社側で
は国内客の取り込み強化に動いており、湾岸に住む若年タワマン族に
外商攻勢をかけているようですが、この層に松屋銀座を使わせるのは
相当難易度が高いので、他のやり方を考えた方がいいように思います。

*参考記事 2015-11-30 1,488円 --
インバウンド効果炸裂も足下一巡感も、松屋(8237)。

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