インバウンド効果炸裂も足下一巡感も、松屋(8237)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【8237】松屋(東証1部) --

現在値 1,488円/100株 PER42.8 PBR4.11 2月優待配当 8月配当

呉服店発祥の名門百貨店。銀座本店と浅草店の2店体制。独立路線。
配当金は2月8月の年2回・合計5円で、配当利回りは0.33%となります。

松屋は株主優待制度を実施しており、100株以上の株主に対して、
利用上限のない10%割引可能な買物カードを進呈しております。
また有料催事が2人分まで無料になりますので、入場料1,000円の
催事に2人で年2回行った場合の配当優待利回りは3.02%となります。

業績を確認していきます。
■2012年2月期 売上高 713億円、経常利益 6.7億円、EPS77.9円  
■2013年2月期 売上高 716億円、経常利益 10.8億円、EPS 11.3円  
■2014年2月期 売上高 754億円、経常利益 15.7億円、EPS 25.2円
■2015年2月期 売上高 816億円、経常利益 22.7億円、EPS 24.6円
■2016年2月期 売上高 910億円、経常利益 29.0億円、EPS 32.0円 ce修正
□2015年8月中 売上高 452億円、経常利益 15.2億円、EPS 16.6円

2015年8月中間期の売上高は前年同期比2割増の452億円、経常利益は
同68.6%増の15.2億円となり前年同期を大きく上回ったほか、対計画でも
経常利益がほぼ倍増するなど「爆発的」な伸びを記録しました。一昨年の
大規模リニューアル投資をインバウンドの増加で存分に回収し、やること
なすこと全てが大当たりという状況です。

2016年2月期通期計画もこの時点で修正しており、売上高は11.5%増の910
億円、経常利益は27.5%増の29億円を予想しています。今期を最終年度と
する中計では経常利益19億円予想でしたが、今期初に24億円予想となり、
この中間で29億円予想となったため、下期で余程凹まないかぎりは達成
間違いなしという状況です。

当社ではインバウンド囲い込みのため、銀座本店の裏にツーリストラウンジ
を9月に開設し、更なる需要の取り込みを図るなどしています。また特需を
一時的に終わらせないため、中国工商銀行・交通銀行やタイのザ・モール
という小売グループなどと提携して、会員の取込と固定化を図っています。

若干気がかりなのは、ここ数ヶ月前年同月比約3~4割の増加を見せてきた
既存店売上高が9月に+20%台にまで減少し、10月には+16.4%にまで減少して
しまいました。中国株バブルの変調や人民元切り下げといった主に中国の
影響が出てきているものと見られ、(台湾やタイではなく)中国人向け売上
比率の高い当社は、比較的ダイレクトに影響を受けたものと見られます。

そんなわけで、業績自体は絶好調ながらも先行きに関しては若干雲行きが
怪しくなってきた印象ですが、銀座(と浅草)にしか店がない強みと、図体の
大きい同業他社に先行して改装投資を行ったため既に回収モードに入って
いるというアドバンテージがあるため、来期位までは大丈夫とみられます。

今期の配当は前期並みの5円を予想していますが、追加の改装投資を行っ
たとしてもなお余裕があるものと見られるため、増配余地があります。

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