優待銘柄になった日本商業開発をトーセイで測る/投資戦略アウトルック(2014.11.29) | なちゅの市川綜合研究所

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■優待銘柄になった日本商業開発をトーセイで測る

優待族のみなさまはよくよくご存知のことと思いますが、日本商業開発は
300株以上の株主に対して年2回のジェフグルメカード3,000円分を進呈する
様になってからというものの、不動産銘柄というよりも株主優待銘柄として
個人投資家の間に広く知れ渡るようになりました。

特に象徴的なのはヤフーファイナンスの「この銘柄を見ている人は、こんな
銘柄を見ています」のリコメンド対象として、クリレスHDやチムニー、
ダイヤモンドダイニングあたりが名を連ねていることです。
こうなってしまったら不動産業としてのバリュエーションは無視して、
多少は割高でも優待株プレミアムをオンして評価しなくてはなりません。

日本商業開発と似た様な時価総額の会社にトーセイという会社があります。
日本商業開発は307億円に対して、トーセイは347億円です。

トーセイという会社は日本商業開発同様、不動産流動化バブル生き残り組
ですが、もともとは千代田区(神田)まわりで地道に貸しビルなどをやって
いた東誠不動産というどちらかと言うと地場業者でした。そのため地に足
がついており、バブル崩壊後でも数十億円の時価総額を保持していました。

最近では本体をシンガポール市場に重複上場させたり、傘下のトーセイ・
リートを東証に上場させたりと小粒な不動産会社ながらも将来の資金調達
やこれからの出口戦略の確保に余念がありません。ここまでやってやっと
347億円の時価総額まで回復させました。

他方、日本商業開発は吹けば飛ぶ紙の様な時価総額しか無かった時期が長く
やっと最近になって底地の転売により急速に利益を積み上げ、株価を急伸
させるとともに株主優待を新設することで時価総額を大膨張させました。
そのため一口に時価総額300億、と言っても内容は全然異なるのです。

と、いうことでここからが結論です。
日本商業開発がトーセイと同格というバブルの様な時価総額は不動産業界人
としては肌感覚としても到底納得出来ないもので、単純に考えるとトーセイ
に乗り換えるべきという結論となるのですが、そうではありません。

何故なら冒頭に記しました通り、日本商業開発は既に優待株になっている
ので不動産株としての評価はオマケに過ぎないからです。しかも名証上場
ですので、ここから指定替えなども考慮するとまだ説明がつきます。

勿論、会社としては時価総額をめいいっぱいまで膨らましまくった上での
エクイティストーリーを描いている可能性もあるかと思いますので、某
多業態レストランチェーンの様な優待再拡充の様なこともありえますし、
機関投資家の新規組み入れの需要もあるので新株を刷ったとしてもかなり
吸収されてしまう公算が高いと思われます。

そんな訳で、日本商業開発は売らなくてもいいかもねという話でした。
(個人的にはサンフロの時価総額535億の方が納得出来ないですしねw)

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