今回の記事の主役(主薬)は二つです。
ナパブカシン Napabucasin(BBI608)
アムカセルチブ Amcasertib(BBI503)
BBI503にもアムカセルチブという名前がついたようです。前回の記事で基本を説明していますので、今回は興味のあるポイントを記載してみようと思います。市場に投入されるまでまだ時間がかかるので、治験をマークしておくことも大事かもしれません。
▼ 前回投稿記事をお読みください。
○ がん幹細胞経路阻害剤:BBI608(ナパブカシン)とBBI503の最新情報
▼ 臨床開発の現況
▼ ナパブカシン開発進捗状況
▼ ナパブカシン/Amcasertib開発進捗状況
▼ 製品上市計画
▼ 免疫チェックポイント阻害薬3剤、ニボルマブ(オプジーボ)、ペンブロリズマブ(キートルーダ)治験薬記号MK-3475、イピリムマブ(ヤーボイ)との併用試験が進んでいる。
続報!○ 切除不能・再発結腸・直腸癌患者を対象としたBBI608とPembrolizumabの同時併用療法 第Ib /ll相臨床試験 一般公開日(本登録希望日)2016/09/13
続報!○ 大腸がん(31) 国立がん研究センター東病院 | 第Ib/II相試験 (医師主導治験) 試験治療:BBI608+Pembrolizumab
続報!○ 大腸がん(32) 国立がん研究センター東病院 | 第III相ランダム化試験(国際共同試験) A群:FOLFIRI+/-アバスチン+BBI608 B群:FOLFIRI+/-アバスチン
続報!○ 大腸がん キイトルーダとがん幹細胞阻害薬ナパブカシンの併用療法の第1/2相試験 | がんと・ひとを・つなぐオンコロ [最終更新日]2017/01/26
▼ ナパブカシンのCO.23試験(結腸直腸がん/単剤)の結果について、本年の欧州臨床腫瘍学会(ESMO)において、10月9日に口頭発表される。p-STAT3高発現患者においてOSの有意な延長が認められた等。
※後述の関連情報がp-STAT3と癌との相関関係を理解する上で役に立ちました。
続報!○ 欧州臨床腫瘍学会(ESMO)におけるがん幹細胞性阻害剤ナパブカシンの進行性結腸直腸がんを対象とした国際共同フェーズ3試験(CO.23試験)に関する最終解析結果発表について
2016.10.06
続報!○ BBI608(napabucasin)はpSTAT陽性の進行大腸癌に有効である可能性【ESMO2016】:日経メディカル
2016.10.11
続報!○ BBI608(napabucasin)はpSTAT陽性の進行大腸癌に有効である可能性【ESMO2016】:がんナビ
2016.10.14
▼ ナパブカシンは他の抗がん剤との併用療法が望ましい。
◆ 2017/1/24 追記 ASCO-GI2017 ナパブカシンデータを発表 ◆
○ 米国臨床腫瘍学会 消化器癌シンポジウム(ASCO-GI)2017においてがん幹細胞性阻害剤ナパブカシンに関するデータを発表|2017.01.23 ニュースリリース|大日本住友製薬株式会社
1.結腸直腸がん患者におけるナパブカシンのFOLFIRIまたはFOLFIRIおよびベバシズマブ併用フェーズ1b/2試験(BBI608-246試験:NCT02024607)の結果
・ナパブカシンは、化学療法耐性の結腸直腸がん患者に対するFOLFIRIまたはFOLFIRIおよびベバシズマブの反応性を高めることが示唆され、p-STAT3の発現量に関わらず、併用による上乗せ効果の可能性が示されました。
2.K-ras野生型転移性結腸直腸がん患者におけるナパブカシンのパニツムマブ併用フェーズ1b/2試験(BBI608-224試験:NCT01776307)の結果
・ナパブカシンは、予期せぬ有害事象および薬物相互作用が観察されることなく、最大用量でパニツムマブと併用可能であることが示されました。
・K-ras野生型の転移性結腸直腸がん患者において、抗腫瘍効果が観察されました。
・ナパブカシンが抗EGFR療法の反復治療への感受性を高める可能性を示しました。
◆ 2017/5/13 追記 臨床開発の現況 がん領域:ナパブカシン ◆
○ 2017年05月11日 平成29年3月期決算説明会資料|IR資料 | 大日本住友製薬株式会社
以下抜粋
▼ フェーズ3試験の推進
胃または食道胃接合部腺がん(併用/BRIGHTER試験)
・700例の患者組み入れ完了(2016年12月)
・中間解析実施中(目標イベント数到達)
・全例解析は566イベントで実施予定
結腸直腸がん(併用/CanStem303C試験)
・患者組み入れ中
膵がん(併用/CanStem111P試験)
・患者組み入れ中
■ 胃または食道胃接合部腺がんを対象に、2018年度申請目標(日米)
■ 結腸直腸がんを対象に、2020年度申請目標(日米)
■ 膵がんを対象に、2021年度申請目標(米国)
▼ 学会発表予定:米国腫瘍臨床学会(ASCO2017)
フェーズ1および2試験の結果(結腸直腸がん・膵がんなど7演題)
フェーズ3試験の試験計画(結腸直腸がん・膵がん)
・要旨は5月17日(米国時間)公開予定
◆ 2017/7/27 追記 ナパブカシン盲検解除 ◆
○ 2017年06月26日 がん幹細胞性阻害剤ナパブカシンの胃または食道胃接合部腺がんを対象としたフェーズ3試験の盲検解除について | 大日本住友製薬株式会社
ソースと関連情報
○ 説明会資料|IR資料|株主・投資家の皆さまへ│大日本住友製薬株式会社
○ 米国臨床腫瘍学会(ASCO)における抗がん剤napabucasinおよびamcasertibの複数のがん種に対するデータ発表|大日本住友製薬株式会社 ニュースリリース2016年5月19日
○ 特集:がん領域への展望│株主・投資家の皆さまへ│大日本住友製薬株式会社
○ 5陣営がしのぎを削る免疫チェックポイント阻害薬、最新の国内開発状況まとめ|製薬業界で話題のニュースがよくわかる AnswersNews
○ p-STAT3のヒト大腸腫瘍における発現;臨床病理学的因子における検討
○ p-STAT3 のヒト胃癌における発現:その腫瘍浸潤と予後における重要な相関について
○ Phospho-Stat3 (Tyr705) (D3A7) XP Rabbit mAb #9145 | CST 抗体|CSTジャパン株式会社
○ シグナル伝達兼転写活性化因子あるいは略してSTAT - Wikipedia
○ 固形がんの治療効果判定のための新ガイドラインRECISTガイドライン version1.1:日本臨床腫瘍研究グループ
○ ECOG のPerformance Status(PS)の日本語訳:日本臨床腫瘍研究グループ
○ 講演3「がん幹細胞とは何か?」 佐谷 秀行(慶應義塾大学 医学部 先端医科学研究所 遺伝子制御研究部門 教授)|日本癌学会 20:52
○ ペムブロリズマブの使用上の注意の改訂について - 日本臨床腫瘍薬学会
○ “LGR5 陽性ヒト大腸がん幹細胞の可視化とその標的治療”と私の化学療法所感|大腸癌(直腸癌)とある患者の所感