第3話 千羽鶴
母の電話で父のがん告知を聞いて
手術まで約2週間。
家事育児をしながら
2週間で折り鶴を1000羽折るのは
思っていた以上に大変なことだった。
家事の合間や
長男が寝た後に
出来るだけたくさんの鶴を折っていたけれど
結局できたのは700羽・・・・
それをつないでいくのも
かなり大変だった。
千羽鶴って結構大変なんだ・・・と、実感する。
父の手術5日前には
やっと実家に送ることが出来た。
そして手術前日
父と電話で話をした。
「お父さん・・・・手術頑張ってね・・・・」
そんな在り来りな言葉しか出てこない私。
「お父さんも何とか頑張るよ・・・・お前も出産が控えているんだから
余り心配せずに・・・・頑張れよ」
最後には涙声になっていた
お父さんの声・・・・・・
この時に聞いた
お父さんの声が
最後の声になってしまった。