セイレーンⅠ | 夜の羊の本棚

夜の羊の本棚

ソーシャルゲーム”恋に落ちた海賊王” ”戦国LOVERS”の夢小説を書いています。

更新不定期。

小説らしい文章スタイルを目指しています。

予告通り、「恋海でファンタジーを書こう!」のテーマのもと、セイレーン1話を投下します。
1話というか、いつまでたっても区切りが出てこないので、適当にちょん切りました。

何だこれ?

これを中2病と言うの?

いろいろ思ったけど、とりあえず上げてしまえ♥
というわけで、いろんなことが創作されています。
イメージは、ハリポタとか児童書っぽい文体にした・・・・つもり。
ヒロインを公式と置き換えたり(今回はまだ出てきません)、とにかく好き放題書いてますので、苦手な方はご注意ください。

恋愛要素の有無は、まだ未定です。
なんとなーく、ほんのりは匂わせたいという希望。

5月30日 町の名前を変更しました








セイレーン Ⅰ


薄暗い水の滴る湿った洞窟内を、ハヤテは注意深く進んでいた。
人一人がやっと通るくらいの幅,高さもそれほどないため、気をつけなければ尖った岩肌に頭を打ちつけてしまう。

「くれぐれも気をつけろよ」

「わかってる」

すぐあとから続くシンが、後ろを警戒しつつ、ハヤテに言葉を投げる。

岩自体がほのかな光を放っているのか、二人の行く先がかなりの距離をまっすぐ続いているのがぼんやりと見える。碧灰色に濡れる岩肌は足元も湿り気を帯びていて、一歩一歩踏みしめなければ足をすくわれそうだ。
そのとき、果てしなく続くかに思われた道の先に、一点の光が見えた。

「着いた、か…?」

「何か見えるのか?」

「ああ、光が見える」

期待に胸を弾ませ、心持ち歩調が早まる。近づくにつれてやはり、白い光が洞窟の穴の形に浮かび上がっているのがはっきりとしてきた。

「たどり着いたか…!」

眩しい光が差し込んでくる。
はやる気持ちを抑えて、向こう側に躍り出ようとするハヤテだが、

「…っ!」

寸でのところで踏みとどまる。
パラパラと音を立てて、足下から洞窟の破片が落ちた。
そこは外だった。しかし地上から少なくとも100メートルは離れ、木々が遥か下に見渡せる。目の前に広がる抜けるような青い空に、中に浮いているような錯覚がハヤテを襲った。

「おい、何してる、早く進め」

「だめだ、引き返すしかない」

振り返りとって返そうとしたハヤテの背中を、シンが押す。

「おい、やめろって!向こうは崖で…シン、ふざけるな…!?」

足元が滑り、体が中に投げ出されるのがわかった。何もかもがスローモーションのように見える。
身体をひねり、自分のいた場所を見ると、そこにシンはいなかった。
彼がいるべき場所には、うつむき加減の、線の細い少女が立っている。そして直後、強烈な浮遊感に襲われた。







「うわああ!!」

「どうした!?」

ハヤテの叫び声に、リュウガたちが各々の武器に手をのばし、身構える気配がした。
太陽の差さない洞窟内で、休憩時の火素節約のため細いロウソク一本では、状況がわからない。やや間をおいて、ソウシが松明に火を移すと、ボンヤリと互いの顔と周りが赤く浮かびあがった。

「ハヤテ、どうした?」

リュウガが注意深くあたりをみながらハヤテに問う。

「・・・・まさか、夢でうなされたとかじゃないだろうな?」

「・・・わりい」

気まずそうに答えるハヤテの言葉に、一同の緊張が解けたのがわかった。

「こんなところで、のんきなものだな」

シンの呆れ返った言葉にカチンときたハヤテは、ついボソッと不平を言う。

「だいたい、シンが・・・・」

「俺が、なんだ?」

「い、いや、なんでもねー・・・・」

しかし感の良いシンは、それで少し察したらしい。不機嫌そうに、

「勝手に人を夢に出すな、気色悪い」

「俺だって呼んでねーよ」

「がっはっは、おまえは寝てても元気だな。・・・・そろそろ、行くか」

ハヤテのおかげですっかり目の覚めた一行は、休憩を終え先へと進むことにした。
リュウガが、松明を手に行く手へと向き直る。するとその明かりに照らされて、一瞬人影が浮かび上がるのを見たハヤテが硬直した。

「!?」

「・・・・どうした、ハヤテ」

息をのむ音に、リュウガがこちらに向き直る。

「今、船長の向こうに、誰かが・・・・」

「あ?この辺か?」

ハヤテの言葉に、リュウガは再度明りを掲げてみたが、先ほど見えたはずの影はもうなかった。

「まだ夢でも見てるんじゃねーか?」

「ちげーよ、確かにいたんだって!」

小馬鹿にしたようなシンの言葉に、ハヤテがくってかかると、ソウシがなだめるように二人の間に入った。

「まあまあ、ここは暗くて見にくいし、ハヤテの言う通り用心に越したことはない。注意しながら、先へ進もう」

(見間違い、なのか・・・・)

納得いかない、という顔をしたハヤテがみんなの後に続こうとした時、しかし体が石のように固まって、一歩も動けないことに気がついた。

(なんだ・・・・!?)

必死にもがこうとするが、指先一つ動かない。そんなハヤテに気付くことなく、仲間はどんどん奥へと行ってしまう。声を出そうとしたが、喉も塞がったようになっていて、言葉にならなかった。
すると、ハヤテの後ろから、ふわっと空気の動く気配がした。

(お前・・・・!)

横をすり抜けるようにしてハヤテの目の前に現れたのは、信じられないことに夢の中の少女だった。滑るような足取りで、まるでハヤテの代わりとでも言わんばかりに、みんなの後へ続こうとする。

(待て!誰だお前!?)

このまま行かせたら、とんでもないことになる、理由はわからないが直感で思った。吹けば折れるような華奢な少女に得体の知れない恐怖を感じるのは、その頼りなげな後ろ姿に幽鬼じみたものを感じるせいかもしれない。
心の中に焦りばかりが膨らむだけで、相変わらず小指一筋動かすことができない自分の体に、どうしようもない怒りを感じる。

(ダメだ、行くな!みんな、気付いてくれ!!)

徐々に遠ざかる仲間の背に向けて、必死に声にならない声を振り絞った。

行くな!!






今度こそ、本当に飛び起きると、自室の見慣れた光景が目に入ってきた。一瞬わけがわからなくなるが、すぐに夢だったのだと気づき、心から胸ををなでおろした。が、心臓は全力疾走した後のように、まだ早鐘をうっている。

「夢、か・・・・」

汗に濡れた背中が、空気に触れて冷やりとした。
いやにリアルで生々しかったのは、先日宝探しで上陸した島のことが、記憶に新しいせいだろうか。それにしても、今まで旅をしていく中で散々いろんな目にあってきたが、今になってこんな夢を見るなんて。
その上夢の中でさらに悪夢を見るなど、一体何のいやがらせだと、誰のせいでもないのにいらだちをぶつけたくなる。朝からぐったりしながら心を落ち着けようとしていると、ドアの外から足音が聞こえた。

「ハヤテさん、何かあったんですか!?」

そう言って、断りもなく部屋に飛び込んできたトワがハヤテの部屋を見回す。

「は!?いや、なんもねーけど・・・・もしかして俺、叫んでたか・・・・?」

「はい、隣まで聞こえてきたのでどうしたのかと・・・・」

そう言っていつもと変わらぬ部屋の様子を見て怪訝そうな顔をしているトワに、ハヤテはだんだんと恥ずかしさがこみ上げてきた。

「な、なんでもねー!ほら、早くでてけよ!」

「え、わわ、なんですか!?」

こんな歳になって、悪夢にうなされて悲鳴を上げるなんて。
ハヤテは顔から火が出る思いでトワを追い払った。





朝食に上がると、シン以外は全員揃っていた。

「よお、朝から威勢のいい声あげてたな!」

「聞こえてたんすか・・・・船長、その話はなしの方向で・・・・」

「僕もびっくりしましたよ。何か一大事が起きたかと思いました。」

「っ、悪かったな・・・・!」

顔を赤らめつつトワを睨みつけると、突然背後から不機嫌そうな声がした。

「おい、こんなところに・・・・」

「うおっ」

言い終わる前に異常に肩をはね上げたハヤテを、後ろから来たシンは冷ややかな目で見た。

「邪魔だ、こんなところに突っ立ってるな。」

「…はいはい…」

夢のせいで、今はシンに関わりたくないハヤテである、脱力しきった声を出して、しぶしぶおとなしく入り口から離れる。シンはシンで、珍しく突っかかってこないハヤテに、訝しげな視線を向けながらも、テーブルへとついた。

全員が揃い朝食を取り始めると、
船長が次に寄港する港を発表した。

「向かう先は、シンと話し合ってトゥーラに決定した。あと五日ほどで到着予定だ」


「今回はハラハラしましたね。みんなで無事戻ることができて良かった」

いつものように穏やかに言うソウシに、

「ああ、しかしこうまでうまくいくとはな。俺の感はたいしたものだろう」

そう言って豪快に笑ったリュウガは、テーブルの中央におかれた人形を見た。
一同が今回手に入れたお宝、それは手のひらに収まるくらいの小さな翡翠の人形で、腰から上は女性の形に、下は足の代わりに魚の尾がついた、伝説の生き物の形をしていた。深い緑色の表面は念入りに磨かれたようにどこも滑らかな曲線になっていて、濃淡がある。さらに光の当たり具合によって色合いはより深みを増し、まるで秘められた森の中の湖を覗き込むような、神秘的な色合いを帯びていた。

「見つけた宝は…セイレーンの涙は、どうするんですか?」

ナギもその人形をじっと見ながら、リュウガに尋ねる。

「今から行く港で、取引したい相手がいる」

「オークションにかけるんじゃないんですか?」

トワが聞くと、

「いや、今回は他をあたることにした。何でも、今から向かうトゥーラに拠点を持つ銀行家が、芸術活動の投資に余念が無いらしい。しかも総財産が、話では軽く国家の金庫を超えると聞くじゃねえか。こいつの価値がわかって金のある商人、うってつけだとおもわないか」

その言葉に、ソウシたちも同調する。

「確かに、噂に聞く大銀行の総帥なら、期待できそうですね」

「各主要都市に支店を持つ大企業につてができれば、今後の情報収集もしやすい」

シンもなるほど、とうなずいた。

「まあ、そう言うことだ。うまくいくかはまだ分からないけどな」

「にしても、よくもあんな胡散臭い地図で、こんな宝が見つかったもんだな」

ナギが感心したようにしみじみと言った。


この、セイレーンの涙と呼ばれる宝を見つけたのは、幸運としか言いようがなかった。
たまたま情報収集に入ったパブにいた男が、売れなくて困るとぼやいていた地図を、船長が値切ってほぼ捨て値で買ってきたのだ。
それもそのはず、その地図は描き方から見てもとても海図と呼べる代物ではなく、まだ人が遠く船で大陸を離れる前のもののようだった。見た者は、まず偽物だと疑っただろう。
辛うじて、一緒に描かれている大陸から離れたところにある小さな島が赤く記されていることから、ここがなにか特別なものだとわかるのだが、緯度も経度もないためはっきりとした場所がわからない。にもかかわらずリュウガの注意を引きつけたのは、まるで誰かが空中から見下ろしてきたかのように、その島の形が細部にわたって丁寧に描かれているのだ。そしてその地図を見たシンが、なにか思いついたようにおもむろに取り出した地図と比較してみると、驚いたことにそれは全く同じかたちをした島の拡大地図であった。

リュウガの手に入れた地図には、上のほうに綺麗な飾り文字で、“Σειρήν”と記されていた。
今の文字に置き換えると、sirène、セイレーンのことだった。











ハヤテ、夢見すぎwww
私はよく、夢の中で夢と気付き、起きる夢を見るのですが、みなさんそんな夢は見られるでしょうか?

主人公はハヤテにするつもりはなかったのですが、なんか今回はハヤテ視点になりました。
今後変わるかどうかも、わかりません。

”モルドー”じゃなくて、本来町の名前書くはずだったのに・・・町の名前がわからん。
モルドーって、帝国だから国の名前ですよね?
ってことは、その中にまた各町があるんですよね?
今モルドーに行くこと決定って、じゃあ今までどこに向かって走ってたんですか、っていうwww 
後で完レポ読み返して、てきとーな名前ひろってくるか、創作するか・・・。
世界地図欲しい。

そんなこと言ってますが、妄想なんでね!
いろんな矛盾起こってても、気にしない気にしないwww

銀行家は、イメージは”メディチ家”です。
これもなんか名前考えるか  ←遅



こんな感じで、気が向いたらちょこちょこ修正するかもしれないし、修正しないかもしれません。
人が読んで楽しいのか、これ・・・・謎。

ザ・もうそーう┌(^p^)┘