TACで会計士合格者が過労死 | 六本木の公認会計士いきぬき (息抜き編)

TACで会計士合格者が過労死

公認会計士を目指す方のための専門学校。

最大手である資格の学校TACで経理担当をされていた公認会計士合格者の方が過労死されたという。

TAC元社員の過労死を認定 東京労働局中央労基署
2011/1/7 23:50 日経新聞

--------------------
資格取得支援事業大手のTAC(東京)の経理担当で、昨年3月、急性虚血性心疾患のため35歳で亡くなった男性について、東京労働局中央労働基準監督署が、長時間労働による過労死として労災認定していたと代理人の川人博弁護士が7日明らかにした。

 川人弁護士らによると、男性は入社直後の2009年11月、公認会計士試験に合格。正式に会計士となるための実務補習を週1回程度受けながら、休日出勤や徹夜の仕事をこなし、多い時は月約125時間の時間外労働をした。昨年3月、自宅で倒れ死亡。同12月、労災認定された。

 川人弁護士は「TACは会計士の実務補習制度を熟知しているのに十分な配慮もせず、長時間労働を強いたことを重く受け止めるべきだ」と話している。

 同社IR室は「労災認定は厳粛に受け止める」とコメントしている。
---------------------

死亡されたのが、昨年3月とのことだが、僕はこのことを全く知らなかった。実務補習所に通われていたとのことなので、公認会計士の登録前なのだろう。

ふざけるな。

まったくTACの肩を持つことはできない。

ブルータス、お前もか?、といった印象だ。

そして、こういった過労問題や労務問題が今後は増えていく。昨年12月30日の、アメーバなうで、僕は以下のようにコメントした。

弁護士業界の次のテーマは労働争議とのこと。残業代不払や解雇。現実問題、労働基準法は守られていない法律だが、今後はそのリスクがオンバランスされるかもしれない。
[12/30 03:02]

過労死問題というのは、一般的に表に出づらいものと思う。監査をやられていた会計士であれば、稟議書等をレビューしていて、労使問題の争議に関するもの、示談をした結果、表に出なかった事例を読んだりすることもあるのではないだろうか。

今後、会計士が一般事業会社で働くようになると、過労死とはいかなくても、ウツになったりする方が増えるものと思われる。真面目で、優等生だからだ。

イケイケな会社は、抱えきれない仕事を放り投げてみて、出来なくなるところを見極めて、必要な人員を確保する。このようなマネージメントをパワーマネージメント、といい、成長期の会社では実は結構ありふれている。会社のことだけを考えれば、効率的なマネージメントであるのが事実だからだ。

また、パワーマネージメントは厳しいノルマ主義でもある。無理と言わせない社風であり、目標を達成するために考えて動くことを叩き込まれるだろう。

社員となるに当たって、パワーマネージメントへの対処法は、役者になることだ。

タイミングを見計らって、わざと病欠したり、忙しいアピールをいやらしくないようにできるか。仕事が貫徹できずに、

悔しいです!

というように熱いハートを見せながら一見前のめりに倒れてしまうことだ。ああ、人が足りないんだな、業務が重いんだな、とパワーマネジメントの管理者はこの時気づく。

これは、ノルマへの対処法でもある。一番、やってはいけないのが、自分を追い込むことだ。

営業職であれば、自爆営業といって、自腹で商品を購入したり、友人や親戚に押しこみ販売する。そして、バックオフィスであれば限度を超えたサービス残業となる。

パワーマネジメントが過ぎる会社は、ブラック企業として社会的な制裁を受けるに相応しい。

このような会社に入社せざるを得ない方は、役者になること、それから転職を視野に入れて戦略的なキャリアを形成することだ。

昔からあるこういう会社やら、今伸びているこういう会社が多いから。