小倉昌男 著「経営学」。多くの経営者がお薦めの1冊として必ず言及する名著。実際、読んでみてよくわかりました。
宅急便という前人未踏のビジネスモデルを日本で立ち上げた構想力や、幾多の困難を乗り越えてきた胆力も去ることながら、「全員経営」という考え方を徹底的に実践していること。これが、個人的には一番響いたし、多くの経営者の方々も、そうなのでは?と勝手ながら思いました。
従来のB to Bモデルから、B to Cモデルに転換するには、従来のピラミッド階層組織では対応不可能。最前線のSD (セールスドライバー)達に、いかに自律的に動いてもらうかが鍵を握る。その為には、SD 達を徹底的に信頼し、権限委譲を行い、迅速かつ自律的な解決を図る。「寿司屋の職人たれ」と説く。組織図も、SD を頂点にしたものに書き換える。時にSD の足を引っ張る中間管理職を極力排除し、階層を短くする。根底には、人は細かく指示をされるとやる気を失い、自由裁量が与えられると最大の力を発揮するという考え方がある。個々の判断では間違いが起きても、毎回、ラインに上げて判断する社内取引コストを考えると、トータルでは効率的との考え方を徹底している。
自分自身が一ユーザーとして、やっぱりヤマトが一番サービスがよく、信頼できると感じるのは、こういう組織風土によるものであると、腹落ちした。
すべての経営に通ずる、普遍の経営原理が学べる、貴重な一冊です。未読の方には、一読をお薦めします。
小倉昌男 経営学/小倉 昌男
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