【書評】感性で拓くマーケティング  | ラテン系企画マンの知恵袋

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早稲田大学の恩蔵教授とDNP社により運営されている「買い場研究所」による書籍。「感性マーケティング」というテーマを軸に、「香り」「色彩」「光」「脳科学」「音」という様々な視点からの研究成果及びマーケティングへの応用例が紹介されている。「日本かおり研究所」「カラーデザイン研究所」「脳機能研究所」という専門の研究所であったり、パナソニックさんの照明事業の責任者であったりが登場し、相当深い知見を披露してくれている貴重な1冊。

スペック(機能価値)から、感性(情緒価値)へと付加価値訴求の方向性がシフトしていくのは間違いないことであり、五感を駆使して今までにないマーケティングアプローチをする必要性を痛感した。一方で、どれもまだ実験段階であり、特に嗅覚などは個人の嗜好差が極めて大きく、マスマーケティングへの適用には、まだ時期尚早であることも同時に理解した。

「そのまま使えない=価値がない」という短絡的な話ではなく、このアプローチからどんな示唆が得られるのか?今までとは違うものの見方ができないか?という風に活用すべき1冊だと思う。あと、単純に様々な知的興奮が得られるのでそれだけでも価値があると思います。

感性で拓くマーケティング/恩蔵 直人

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