キリンフリー開発秘話 | ラテン系企画マンの知恵袋

ラテン系企画マンの知恵袋

ブラジル仕込みの企画マンから書評、講演、実体験等、
最新のビジネスシーンから情報更新していきます!
(なお、本ブログは個人の責任で書いており、所属企業とは無関係です)

キリンフリー開発者をお招きして開発秘話をお聞きした。前回、イーライフの講演会で聞いたのとは異なり、生々しくリアルな話が聞けた。詳細は、ここには書きませんが、とにかく若手開発者に新鮮な感動を与える内容だった。懇親会の席で「今日の講演を聴いて、人生変わりました」という若手の発言もあったほど。

彼女自身、27歳の時にキリンフリーを発売。若手、女性、中途入社ということで、ダイバーシティーの権化。そんな彼女にチャンスを与えた同社もスゴイし、もちろん、チャンスをきっちり活かした彼女はもっとスゴイ。

1時間半しゃべり倒しだったのですが、彼女の「迫力」にすっかり飲み込まれ、あっという間に時間が過ぎた。そして、いつもと同じ結論。商品開発に魔法の杖はない。とことんまで考え、悩み、行動し、人を巻き込む。その苦労の末に、幸運の女神が微笑んでくれる。

彼女の「直接関係ないことも、全部、メンバーとシェアする」という徹底した「巻き込み力」が商品開発の推進力になっていることは間違いないのだが、「組織の勝ちパターンを徹底的に活用する」という話が興味深かった。

これ、意外とできているようで、できないんですよね。諸先輩や前任者にしっかりとヒアリングを行ったり、過去の開発資料を読み込んだり。組織全体でみると、どんだけ重複や無駄が溢れ返っていることやら。

必死に悩み、行動する若き担当者。それを「知恵」でサポートするベテラン。この構造がきっちりはまった瞬間に「風が吹く」。同社で過去に大成功した商品「一番絞り」「淡麗」「氷結」等、すべてに共通するのが、この「勝ちパターンの流れに乗る」ということ。「神風伝説」とも呼ばれているそうだ。

ここで一番大切なことは、待っていては「神風」は吹かないということだ。とことんまでやりつくした者にのみ「神風」は吹く。逆に言うと、風が吹かない時は、まだ何かが足りないということ。

そんな貴重な教訓が得られたこと、そして、それを当社の若手開発者とシェアできたこと。本当に貴重な機会を頂きありがとうございました。これからも、「神風」を起こすべく精進します!