イノベーションとマーケティング | ラテン系企画マンの知恵袋

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(なお、本ブログは個人の責任で書いており、所属企業とは無関係です)

日本マーケティングジャーナルに寄稿された
楠木建教授の記事より

『企業の目的は、顧客を創造し維持することにある
したがって、企業には2つの、2つだけの基本機能がある
マーケティングとイノベーションだ』
(ピーター・ドラッカー)

「イノベーション」と「マーケティング」

この2つのそれぞれについては深い研究がなされているが、
両者の関係性についての議論はあまりなされていないと説く

イノベーションとは単なる新しいアイデアの発明や発見ではない
「商業化された発見」であり、「経済効果をもたらす革新」

画一的な競争によるコモディティー化が進展する中、
イノベーションによる価値創造が急務である

イノベーションの難しさは、起こすことのみならず、
その効果を持続することにおいても同様である

つまり、イノベーションが「可視的」であると
常にキャッチアップされるリスクがある

一方、可視的できないイノベーションは、
理解されにくいというジレンマを抱える

だからこそ、イノベーションのマーケティングが必用

そして、可視化できないコンセプトは、
ストーリーでしか表現できない

「ストーリー」は、部門ではなく人が担う
ストーリーを「構想」できるのは、特定個人であり、
組織的な分業体制からは生まれない

イノベーションを担うリーダーの本質的な役割は
「ストーリーテラー」

新たな価値創造に至るストーリーを構想し、
組織内外の人間に浸透させる

ストーリーはイノベーションに向けた
さまざまな活動を統合する原動力となる

可視的な価値次元のパラダイムに縛られている企業は、
他社製品や自社のそれまでの製品と比較した場合の
優劣ばかりに目を向けがち

その結果、ユーザーの購買や使用の経験を望ましい方向に
制御するストーリーがなおざりなされてしまう

ストーリーの要請次第で既存の可視的の価値次元上での
価値劣化を積極的に許容する必用がある

裏を返せば、可視的な次元上での価値劣化を許容するには、
葬式的なコンセンサスを得るために、
強力なストーリーに裏打ちされている必要がある

その為には、ストーリーを構想するリーダー自身が
事業責任者として権限を持っていなければならない

いくら魅力的なアイデアが生まれても、
資源投入も正当性を求めるラインマネージャーによって
潰されてしまう可能性が高いからだ

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現在、自分自身が新しいビジネスモデルを作り上げるという
壮大なミッションを負っているだけに、一言、一言が
体に染み込んでくる、そんな記事であった

・ストリーを構想できるのは特定個人
・その個人の力を最大限活かせる組織作り

このあたり、肝に銘じます