【日経ビジネス】ボッシュの超日本的経営 | ラテン系企画マンの知恵袋

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だいぶ時間が経ってしまいましたが、日経ビジネス1/24号の記事

世界最大の自動車部品メーカーである、ドイツのボッシュの話

■創業125年、社員を大切にし、技術を磨く、どこか日本的な経営
■創業者は、発明王から技術を学ぼうとトーマス・エジソンの会社に就職したが、
 期待は裏切られ長時間労働でこき使われた揚げ句、人員整理で解雇された。
 その苦い経験から、労働環境の改善および長期雇用を重視する経営スタイルが
 編み出された 
■新技術をゼロから発明するのではなく、既存技術を応用し、より安く、
 より大量に作れるように改良を重ねることが得意
■横すべりを防止するABSを普及させたのも同社
■MEMS(微小電子機械システム)技術を使ったセンサーは業界標準
■iPhone向けに画面の傾きを感知する加速度センサーを供給
■EVの試作車を自ら作ってしまう実力あり
■AUTOSAR(オートザー)という自動車ソフトウェア統一規格を主導する。
 今や自動車はメカトロ製品であり、ソフト更新の負担が重荷。そこで、
 これまで企業ごとに個別に開発していたOSやアプリケーションの形式、
 ソフトの設計プロセスなどを業界全体で共通化。いわば、自動車版の
 Windowsといったもの
■「リバースイノベーション」という、新興国から生み出した低コスト技術を
 先進国でも展開する新しいビジネス手法を、いち早く実践している。
 インドのタタモーターの「ナノ」に積極的に参画し、部品の10%は
 ボッシュ製が占める。真に競争力のある部品を開発し、単に知見を得たと
 いうことに満足するのではなく、ビジネスとしてきちんと成立させる
■ボッシュエンジニアリングという特殊部隊を擁し、自動車業界の駆け込み寺
 として絶大な信頼を得る。「困ったらボッシュに頼め」(フィアットCEO)
 フェラーリが自社技術で排ガス規制に対応できず、一部の車種を販売できなく
 なる危機に直面した際もボッシュが救った
■こうして各社のエンジニアリング代行を請け負うことで、必然的に最新の
 技術動向が収集でき、さらに強くなる
■自主独立の精神が浸透しており、以前、「非協力的である」とヒトラーを
 激怒させたことも
■非上場で財団が所有するという特異な企業統治。投資家からの圧力がなく、
 経営の自由度が高い
■だからといって、利益を出さなくてよい訳ではない。財務的に独立した状態で、
 成長に必要な資金を自ら稼ぎ出す為には、7~8%の税引き前利益を
 生み出し続けなければならない。だから、投資家のプレッシャーなど必要ない

自分自身が自動車業界に疎いこともあり、ボッシュという企業について、
この特集で初めて知った

「血液系を握って、陰から業界を牛耳る」という経営手法、
とても参考になった

Web記事だったら、間違いなく読まなかった記事

普段関心がない記事でも、なんとなく読んでしまう。
そして、新たに関心領域が広がる

そんなセレンディピティが期待できる雑誌というメデイアも、
貴重だなぁと思った次第です